2013.2.26
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2002年4月13日(土)に、神奈川県綾瀬市の綾瀬文化会館で駐日ラオス大使、綾瀬市長、難民事業本部長、NGOの方々等を招いて厳粛でにぎやかなお正月を行いました。在日本ラオス協会のケオブァワン ビラワンさんの感想を紹介します。
私は今年21歳になります。6歳から日本に難民として来て15年になります。小学校、中学校、高校、専門学校そして就職先で日本人と共に過ごしてきました。そして、日本とラオスの習慣がさまざまに違うと感じてきました。
例えば、日本のお正月は1月で、雪が降りそうな寒い季節に神社へ行ったりしてほのぼのと迎えますが、ラオスのお正月は4月です。ラオスでは最も暑い季節です。ほとんどが仏教徒で、お坊さんを家に招いて「バッシー」をします。前の晩におばあさんやお母さんがバナナの皮で置物を作って、ロウソク、お米、お菓子などで仏前を飾ります。翌朝は早起きして,金糸銀糸を織り込んだ袈裟のような民族衣装に着替えて、お坊さんのお経を聞きながら手を合わせます。その後、白い木綿糸を隣席者の手首に巻いて家族の健康を祈願し先祖をしのびます。この「バッシー」という伝統儀式が終わると外へ出て互いに水をかけ合います。新年を喜び合って家族、親戚、友人はもちろん、近所の人や知らない人にまで水をかけ合うのです。水をかけられたら「ありがとう」とお礼を言い、共に今年の豊穣を願うのです。ラオス中の皆が仲良くなれるとても楽しい習慣です。
私たちのように母国から遠く離れて暮らしている者にとってお正月は特に大切な行事です。私たちは母国でのお正月の習慣を懐かしみ、最近は定住者の皆で協力して滞在費や渡航費等を負担し、お坊さん3人を母国から招へいしたりして、ラオスのお正月を全国各地で行っていました。しかし、近い将来に日本にラオスのお寺やコミュニティー会館を作るため、今年はそれらの費用を蓄えることになりました。
今回のお正月はラオスからお坊さんは呼んでいませんが、私たちの父母やその先輩の在日本ラオス協会役員の努力により、厳粛でにぎやかなお正月を行いました。定住者は、この大イベントから力をもらい、またこれから1年間頑張れます。私たち若者は、母国の伝統文化を受け継ぐことができました。
私は、これからすぐにでも休暇をとって、母国を訪問してみたい気持ちになりました。
※「バッシー」は、新年、結婚、出産、送別、死別、快気などの人生の節目に行われる儀式
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