2019.3.1
「先輩の話を聞く会」の開催

27日は尼崎市立園田北小学校で先生とベトナム人児童を対象に開催し、前半の講師は父親の呼び寄せで7才の時来日、公立の小・中・高校へ通学、現在、同志社大学3年生のオン・ホアン・ティ・ミンツさんです。「ベトナム人の誇りを持つまで」と題して、日常語に不自由がなくなってからも授業での日本語が分からなくて勉強嫌いになったこと、友達に負けるのが悔しくて勉強したこと、ベトナムとの文化の違いに戸惑ったこと、通っていた高校でベトナムとの国際交流に参加した際級友や先生がベトナムに強い関心を持ってくれたことに力を得てベトナム人であることに誇りが持てるようになったことを話してくれました。後半は元国際救援センター日本語講師の浅井清子さんが「生活日本語が出来ても学習日本語を習得するには時間がかかるのでケアが必要」等と話されました。
同日、姫路市立城東小学校ではベトナム人児童18名を対象に開かれました。講師は日本で生まれたファム・ティ・タン・タン(帰化名 岡田友香)さんで、小、中、高と公立校に通学、現在賢明女子短期大学で栄養士になる勉強をしています。「小学校転校の時ほとんど外国人のいない地域だったので、日本語を話し、顔も日本人と同じなのにタン・タンという名前はおかしいと笑われてショックだった。でも、6年の担任が厳しいけれど尊敬できる先生だったので勉強を頑張ることが出来た。高校受験の時は父親との死別という悲しい現実に出会ったが、それを乗り越えなければと思い、夜も寝ないで勉強して目指す学校へ入学できた」、「将来は更に勉強して管理栄養士の資格を取りたい」と話してくれました。
30日は兵庫県下の高校生と先生を対象に開催。講師は姫路賢明女子学院の数学の先生、ブイ・ティ・ミン・ヒュウ(帰化名 平川孝美)さんとオン・ホアン・ティ・ミンツさんです。平川さんは、中学2年の時聴講生として賢明中学に編入、板書された漢字が分からなくて人より何倍も努力したこと、大学受験も理数系ならば少々日本語力が劣っても大丈夫だろうと数学を専攻し奨学金等は多方面からの援助で困らなかったこと、努力するのが当たり前なので苦労だとは思わなかったこと等、明るくさりげなく話されました。
子供たちからは、勉強は好きか、テストで一番良かった点数は、日本名についてどう思うか、どんな勉強をして学力をつけたか、お母さんと喧嘩するか、反抗期はあったか等質問が出されました。参加者は熱心に聞き多くの質問を出しました。普段は元気に活動している子供たちですが、心の中にはいろいろな想いがあるようです。今後も各地でこのような会の開催を検討しています。
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