関西地域では、非営利団体である神戸定住外国人支援センター(KFC)が定住外国人の自立・自活を支援する活動を行っています。今までは活動の中にベトナム人の支援が含まれていましたが2001年3月でこの支援は終わり、この活動は「NGOベトナム in KOBE」に移りました。代表のホアン・ミン・マンさん(ベトナム)から、日本での生活とコミュニティーの活動についてお話を伺いました。
95年の阪神・淡路大震災では、日本語が読めないために行政の支援を受けられないなど、在日外国人の抱える問題が明らかになりました。その後の活動を通じて自分たちの問題は自分たちで解決しなくてはいけないと、生活相談やベトナム文化の伝承活動を行うコミュニティー組織「NGOベトナム in KOBE」を2001年7月に発足しました。宗教や世代を越えてベトナム人同士が助け合うコミュニティーです。事務所は神戸市長田区のたかとりコミュニティーセンターに置き、在日ベトナム人4人のスタッフで通訳・翻訳、ベトナムの文化を伝えるための図書館の運営、母国語教室の開催、ベトナムの食べ物や雑貨の販売、高齢者支援、ラジオ放送による母国語での情報提供などを行っています。現在、一番多い相談内容は親子間の問題です。日本生まれの子供はベトナム語が分からず、親とコミュニケーションがとれないこと、学校でいじめられることなど問題が深刻になっています。二つの文化に挟まれて悩む子供たちに対して互いの相談を話し合えるような交流会を神戸、姫路、大阪で開き、それぞれ30〜60人が集まりました。また、今後は日本語が十分に話せない高齢者の人たちが集う機会を作り、ストレスを和らげるよう遠足などのレクリエーションを計画していきたいと思っています。