私は8歳までタイの難民キャンプで育ち、日本の生活は13年になります。日本に来てから今の私があるのは父母のおかげでもあります。大和定住促進センターで6ヵ月間勉強し、すぐに日本の社会に出たということは、ものすごく言葉に苦労をし、コミュニケーションを取ることが大変だったと思います。でも父母は頑張っていました。そんな父母は私に専門学校まで進学させてくれました。そのおかげで私は希望していたエアライン業界に入社することができました。会社に入社してから1年が経ちました。仕事は頭を使うことはたくさんあって大変ですが、その分楽しいことがたくさんあります。
私の入社した会社は“JALスカイサービス(株)”といいます。JALとJASとが統合し、2004年にはあの鶴のマークがなくなってしまうのが寂しいです。でも新しい会社も楽しみです。私が出会ったお客様、それはもう数えきれないほどたくさんいます。日本人のお客様も外国人のお客様も、チェックインの短い時間の中で、“君はマレーシア人?”とか“君はタイ人?”とか“日本語うまいね”と声をかけてくれます。短い時間の中ですが、私はお客様とのコミュニケーションを大切にしています。8月は出国ラッシュでたくさんの観光客が日本を出発していきました。今でも毎日8千人から9千人の出国が続いています。そんな中いろんなお客様がカウンターの前に並んでいます。私は飛行機に乗り遅れのないように円滑にチェックインをさせなければなりません。出発が迫っているお客様もいれば、荷物が多くて超過料金がかかる人もいて、その交渉でもめるときもあります。そいうときはマニュアルなんて頼りになりません。言葉に気をつけて、お客様に説明して納得をしてもらわなければなりません。私は今この仕事が大好きです。何か魅力かというと、やっぱり世界中のお客様と出会えて、出発を見送ることができるからです。私たちは見送るだけでなく、無事現地に到着してほしいと願っています。これからもたくさんのお客様と出会えるのが楽しみです。
「2002.12 アジア福祉教育財団機関誌『愛』」より転載 |
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