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2019.3.1

「定住者の声 No.9」 言語スタッフとして活躍する

 インドシナ難民定住者の中には、母国語と日本語を話せるという特技を活かして、通訳や翻訳などの仕事に就いている人たちがいます。神奈川県にある、さがみはら国際交流ラウンジで言語スタッフとして活躍するコイ・パダラさん(カンボジア)は、カンボジア難民定住者で組織するコミュニティー「クメールボランティア協会」の副会長でもあります。日々の活動についてお話を伺いました。

コイ・パダラさん 私は17年前にカンボジア難民として日本に来ました。現在、3人の家族とともに相模原市に住んでいます。この町に来てから私の人生が変わりました。ある日、葦の会というボランティア団体と出会い、私もボランティア活動に参加したいと思いました。タイの難民キャンプにいた時に、いろいろな国のボランティアの人と一緒に働く経験があり、いつかこの経験を社会の役に立てるために使いたいと考えていたからです。今このチャンスが来たのです。
 2年前に、さがみはら国際交流ラウンジの言語スタッフになり、毎週土曜日の10時から15時まで翻訳をしたり、通訳をしたり、相談に乗っています。また、時々中学校や高等学校などに国際交流的な講演をしに行きます。その他の時間は、ボランティアとして活動しています。あっという間に2年が経ち、ボランティアという言葉の意味がよく分かりました。ボランティアになるためには、まず心を広く持っていなければならない、自分の時間を減らし社会のために時間を増やさなければならないということです。
 2001年4月から同国人のために、「ノコークメール(クメールの国)・イン・さがみはら国際交流ラウンジ」という窓口のような組織を設立し、広く国際的な文化交流の場を作り出したいと思っています。日本人とカンボジア人の相互理解が進むよう、お互いの生活をより楽しいものにするよう、「話してみよう!聞いてみよう!」を実感できるところとしたいです。そして、もう一つ大切なことは、将来に向かって二世世代の若いカンボジア人たちが、自分の文化を知り、この文化を守っていくことです。これは、私たち一世世代カンボジア人の責任です。この場所に来ればカンボジア語の雑誌やカンボジアの民族の歌などを無料で読めるし、聞けるし、自分の故郷にいるような気分を味わえるでしょう。
 「ノコークメール・イン・さがみはら国際交流ラウンジ」は5つのカンボジア団体が力を合わせて同国の人々のために活動していきます。皆さん、遠慮なく遊びに来てください。

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