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2000.3.1

「支援者の声 No.16」日本語教室だより  泉の会 代表 中山恵子
日本語
泉の会は、兵庫県内で外国人定住者の子供たちへ日本語教育及び教科教育の支援をしているグループです。数年前から各小中学校に入り個々に活動していたメンバーが集まって、この春、会を発足しました。 今のところ神戸市・尼崎市の小中学校での支援です。学習者のほとんどがベトナムの子供たちです。日本で生まれ育った子供たちから、つい数週間前に呼び寄せ家族として来日した子供たちまで、日本語能力はさまざまです。どの子供たちも定住希望で、これから日本の社会の中で生活していこうというわけですから、日本語能力は必要不可欠です。 子供たちの場合、その日本語能力とは日常言語運用能力だけでなく、教科学習のための認知学術言語能力も含みます。例えば、「今日、給食の時食べたパン、おいしかったね。」と流暢に言えても、「角度・底辺・頂点…」等の語彙の算数的意味を理解し、算数の文章題が理解できなければ、学校での教科学習にはついていけません。この点がなかなか理解されず、これまでは日常会話が話せれば日本語はもう大丈夫と考えられて、メンバーの中には学校から支援活動を断られたこともあったようですが、今では学校の要望が多く、支援者が足りないような状況です。 学校での活動ですので、学習環境は整っていますし、子供が学校を欠席しない限り計画性のある指導が可能です。さらに、担任の先生方との話の中から支援の具体的方向性を見い出すこともできます。しかし、子供たちに対する初期日本語教育の教材はかなり揃ってきましたが、教科学習支援に関してはまだまだ手探り状態が続いているのも事実です。 子供たちの笑顔に会いたくて、「わかった、できた。」の声が聞きたくて、メンバーは今日も学校に通っています。子供たち一人一人に合った支援ができるようにこれからも研鑽を積んでいこうと思っています。 定住新聞「こんにちは」第25号より転載

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