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(財)アジア福祉教育財団主催の「定住インドシナ難民とのつどい」において表彰者代表の挨拶をする秦野社長 |
本日は、「定住インドシナ難民とのつどい」がこのように盛大な開催を迎えたことに、心よりお慶び申し上げます。本席にお招きいただき、定住インドシナ難民の雇用事業主として感謝状を賜ったこと、身に余る光栄と感謝し、厚く御礼申し上げます。
ご指名をいただきましたので、せん越ではございますが雇用事業主のひとりとして一言挨拶を申し上げます。
当社の事業内容と、インドシナ難民の皆さんとの出会いなどをご披露させていただきます。私共の本社は、神奈川県大和市にあり、創業8年と比較的歴史が浅く、工場が2ヵ所にあり、従業員120名の会社で、古河電工の子会社として、エレクトロニクス機器に使用される部品の組立・加工を主たる事業としており、コンピューターや通信機器の接続用の電線・ケーブルの端末加工とか、パソコンやゲーム機の内部に使用されている放熱部分の製作、さらに高速道路などに採用されているETC通行システム用の車載用アンテナの組立などをメインに行っており、人手(労働力)が頼りの会社といえます。
このような事業を進める過程で、平成10年7月に求人募集をした際に、国際救援センターの相談員の方から、当社の近くにある「いちょう団地」の県営住宅にお住まいのベトナム人4人の紹介を受け、相談員の誠意と熱意ある説得から、少々の戸惑いを持ちつつも初めて外国人労働者の受入れを決意しましたが、採用は2〜3ヵ月経つにつれ、真面目で勤勉さらに忍耐強い就業態度に、当初の不安は払拭され、逆に大いに感心させられたことを昨日のことのように覚えております。
その後、4名の方々の友人、知人、そのご家族の紹介などにより雇用の輪は広がって、平成12年度のピーク時には外国人就業者が40名を超える月もあり、現在では、33名の外国人就業者の中、18名のベトナム、カンボジアの人たちが元気に働いており、その方々の力と頑張りが、会社の発展を支えているものと感謝しております。
今年に入り、ISO9001の認証取得や、現場の作業者を中心とした小集団活動や生産性向上活動等の推進を行っておりますが、言葉や文字に対するハンディキャップを克服し、日本人と変わることなく、相互に理解しあいながら、安全で働きやすい職場を目指しております。その小集団活動のグループのひとつに、ベトナム人が中心のサークルで「ニヨン ムイハイ ウオイ(12人の仲間)」と名付けたメンバーたちも、多大な成果をあげております。
長引く景気の低迷とグローバル化による企業の海外転出等が加速する今日、国内産業として雇用を守り、生きぬくためには、働く者が力を結集する必要があります。そのためにも、難民の皆さんとはいえ、日本で一緒に仕事をする仲間として、自信と勇気をもって、明日の夢(目標)の実現に向けて頑張りましょう。
結びに、難民救援事業に対し、奥野理事長様をはじめ、国際救援センター関係者の方々のご尽力に心から敬意を表すものであります。
これからも、微力ではありますが、定住インドシナ難民の方々に雇用機会のお役立ちができるよう、心掛けてまいります。
本日はどうもありがとうございました。
「2002.12 アジア福祉教育財団機関紙『愛』」より転載 |
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