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2019.3.1

「支援者の声 No.6」(有)日昇企画の取組み

 インドシナ難民定住者の85%が製造業に就職しています。内訳は、「金属加工」31%、「電気・機械器具、自動車組立など」19%、「印刷・製本」5%、「その他の製造業」30%となっています。福島県にある(有)日昇企画白河工場でも、ベトナム難民定住者たち13名(2001年12月現在)が日本人のスタッフと共に働いています。代表取締役の菅之屋昇さんに、彼らとの出会いから現在の状況、今後の抱負などについてお話を伺いました。

ベトナム難民定住者スタッフと菅之屋 昇さん(上段右から4番目) (有)日昇企画は、家電部品、スピーカー、アンプ、テレビのアンテナといったアルミ部品の製造を手がけており、白河工場のスタッフ15人の内、13人のベトナム難民定住者とその家族の人たちがアルミのNC旋盤、バリ取り、プレス等を担当しています。 以前はフィリピンの人たちを多く雇用していましたが、彼らが不法滞在者だということを知り、正規で入国している外国人を探していたところ、栃木県の親会社から紹介を受けて1990年にベトナム難民定住者を雇用したのが初めての出会いです。その後徐々に難民定住者のスタッフが増えていき、累計約65名の人たちと雇用関係を結んでいます。また、難民事業本部より難民定住者の新規の就職を紹介されたり、同本部が開催する会議に出席したりと、ますます彼らとのかかわりが深くなってきています。

 約12年の付き合いの中で感じたことは、日本語が分からないことと仕事ができないこととは比例しないということで、やる気がある人は、言葉が不自由でも着実に仕事をこなし重要なポジションを担当しています。そして、お金を貯めなければいけない理由がある人や、結婚して家族を養うといった目標を持った人は、自ら残業をかって出るなど熱心に仕事に励むようです。しかし、何も目標がないような人、特に独身者で将来の展望や夢を持っていない人は、仕事への意気込みも感じられず、とりあえず生きて生活していればいいというように見受けられます。

 また、難民定住者の従業員の中には自立した生活を営むのが困難な人、精神疾患の人なども働いていますが、職場の環境が合っているのか、辞めることなく1年以上勤めています。一人の人に最近の状況を尋ねたところ、「病院に入院していたころは、窮屈で自分のやりたいことができなかったけれど、今は英語の教室に通ったり、車の運転をしたりと自由に行動することができてうれしい。社長が生活で困ったことがあると相談にのってくれて助かっている。会社ではバリ取りを担当しているが、病気を早く治してNC旋盤を扱いながらコンピューターのプログラムを作りたい」とのことでした。彼の積極的な仕事への意欲が他のスタッフにもいい影響を与えているようです。

 難民定住者を雇用するということは、仕事場以外にもかかわりが出てきます。住宅を探したり、難しい行政機関の手続きに同行したり、外国人が日本で生活する上で必要なさまざまな手続きなどの相談にのったりと、家族のような付き合いが広がります。単なる雇用主と従業員の関係以上に深いつながりができ、生活と密着した、末端で行う国際協力の一環、社会貢献活動として難民雇用を考えるようになりました。私自身も、彼らを雇用したことで、行政機関や雇用促進住宅、難民事業本部の担当者など多くの人たちと知り合うことができました。

 今後は、仕事面だけではなく、アフター5や余暇の過ごしかたを有意義なものにしてもらいたいと思っています。まだまだ自分の生活に追われている人が多いですが、よい趣味を見つけるなど、人生の張り合いや理想を求める向上心を持ち、バランスの取れた生活を送ってほしいものです。そのためにベトナム人同士でサークル活動を開始してはどうかと考えているところです。

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