INFORMATION

2019.3.1

このページをとじる

難民について知りたい! ─日本で暮らす難民定住者─

「支援者の声No.10」就職相談支援−ある日の生活相談から−  インドシナ難民定住者が多く暮らす地域では、定住者の人たちが日本語を学習するための教室が開かれています。ほとんどの教室は日本人の人たちがボランティアで運営しており、日本語指導だけでなく生活相談や学生のための学習指導なども行われています。神奈川県相模原市で活動されている「葦の会」の代表鯉田哲子さんに教室運営や生徒との交流についてお話を伺いました。
厚木日本語クラス
生活相談にのる葦の会スタッフ
 私たち葦の会は1987年から現在まで、インドシナ難民定住者の方々のために日本語学習支援活動や子ども学習支援活動とともに各種の相談に応じてきました。そして現在もさがみはら国際交流ラウンジにおいて毎週火曜日の午後を生活相談日として対応、急激な政変による迫害から逃れるために逃げ出した人々が、異国の地で暮らす不安を助長することのないよう、自立のための支援と交流を深める努力を続けています。 先日もカンボジアの青年がこんな話をしてくれました。不況のため働いていた横浜の会社が倒産しハローワークに行ったけれどなかなか仕事が見つからない。ハローワークの職員はとても丁寧に対応してくれて会社を紹介してくれたけれども結果的には外国人ということで採用されず悲しい思いをしたというのです。こういった人たちは同郷の友達や私たちの口コミ等で仕事を得ることになりますが、ほとんどが健康あっての臨時雇いであり、少しでも良い時給の仕事があれば変わりたい、正社員になりたい等、いつもいい仕事を見つけたいという思いがあります。この青年は友達の紹介で自動車の解体とホイールを研磨する仕事を得ましたが、その仕事場は40度以上の熱風と砂塵のようなほこりで口の中はざらざら、いくら熱くて喉が乾いても、うがいを十分にしてからでないと飲み物も喉を通らないといった状況にあり、しかもボスからは仕事のやり方も教えてくれないのに出来ないといって叱られる、やり方は仲間に聞け!といった具合で、いつ辞めてもいいといわれる。仕事が大変な分、時給は他の仕事よりいい、だから我慢して働いている。外国籍の人も多い、みんなお金のためにがんばって耐えている、でも長くやっていると体を壊しそうだから、ある程度お金が貯まったら早く辞めたい!というのです。この青年は向学心も旺盛で日本語が良く理解出来るだけに不満も多くなるようです。  懸命に働く彼らのために、少しでも不利な状況を改善してもらえるよう職場に伝えるにはどうしたら良いかと知恵を絞ったり、愚痴を聞いたり、彼らに適した仕事はないものかと新聞の折り込みの求人案内に目を通す習慣がいつの間にか身についている自分を発見して苦笑したり、支援しているつもりがたくましく生きる彼らから逆にエネルギーをもらっていることに気付かされたりと、日々共に生きていることを実感する昨今です。 広報誌「ていじゅう」第96号より転載
このページをとじる

関連記事

PAGE TOP