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2002.3.31
インドシナ難民雇用の現状
難民事業本部では、国際救援センターに入所した人のうち就職を希望する人に対して職業相談、就職あっせんを行っています。2001年1月1日から12月31日の入所者数は141名で、うち就職したのは52名でした。この数年センターへの入所時期は4月と8月の2回となっており、退所の時期はその6ヵ月後の10月と3月になっています。入所者は退所後の生活がかかっていることから、退所の2ヵ月前から必死に就職活動を行っています。この他に、既に定住している人たちの再就職者の相談、あっせんもあり、年間相談件数413件、就職者数35名でした。やはり、現在の雇用環境の厳しさから、相談件数は多く、就職者数は少ない難しい状況にあります。しばらく前までは日本語力が十分でない人たちでも雇用の機会がありましたが、最近は少なくとも伝票の記入ができる程度の能力が要求されるようになっており、センターで約4ヵ月間の日本語教育と約20日間の社会生活適応指導の課程を修了したとはいえ就職活動は難しさを増しています。
インドシナ難民の雇用の促進を目的として、雇用促進月間を2001年11月に設け、労働局、公共職業安定所、商工会議所、雇用主の方々との懇談会等を開催するほか、インドシナ難民を雇用する7企業と5公共職業安定所を訪問して情報交換をしました。企業からは、親類の冠婚葬祭のために母国に帰ると、1ヵ月も2ヵ月も日本に戻らないなど、宗教的、文化的行事のために長期休暇をとる人がいて困っているという意見がある一方、クリスマスに全員が無断欠勤したため、その後通訳をとおして就業規則を説明し、日本語が分からないとの言い訳を許さない態度をとっているという発言や、規則が守れない場合は解雇すると最初に伝えているという発言もありました。(有限会社日昇企画の取組みを紹介)
現状では再就職しようとしても厳しい状況にあり、いかに現在の職場に定着するかが重要となっています。再就職にも定着にも日本語力の向上は欠かせませんが、日本語力は周りに支援者がいるかいないかでセンター退所後の伸びに大きな差が出ます。各地のボランティア団体では日本語教育のほかに、生活や仕事をするための習慣などを教えることも多く、その活動は好評です。また、二世三世は言葉の障害がないので、事務関係の職でも力を発揮できるようになっているのは心強いことです。しかし、引き続きアフターケアの必要性があり、地域社会での連携が不可欠ですので、関係者に一層のご協力をお願いしました。
