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2005.8.6
コミュニティー活動「学校関係者のためのベトナムのこども理解講座」を支援
難民事業本部はコミュニティー支援の一環として、2005年8月6日、7日にNGOベトナムin KOBE 主催で開かれた「学校関係者のためのベトナムのこども理解講座」を支援し、2日間のセミナーには計30名の学校関係者の参加がありました。
1日目は、主催団体の代表ハ ティ タン ガさんから、日本に在留するベトナム人のさまざまな在留資格についての説明がされた後、高校までベトナムで教育を受け、現在難民の孫として日本に暮らす同団体スタッフのグエン ティ タン ハーさんから、ベトナムの学校の制度や仕組み、子どもの生活一般についての話がありました。
2日目は、同団体スタッフの北山夏季さんから「学校でベトナム文化を教えよう!」というテーマで、総合学習等で多文化理解教育としてベトナム文化を取り上げる場合の進め方、教材、資料などの具体的な提案が出されました。ベトナム独自の民話や子どものあそびの紹介と同時に、ベトナム版の「シンデレラ」の話や「紙芝居」、「琴」など、日本の文化と比較しつつベトナム文化を理解できる教材も紹介されました。また、ベトナム語の学習会では、ベトナムの市場を場面設定して、簡単な挨拶から値段の交渉をする短いロールプレイの中でベトナム語に触れるという、楽しく体験的なレッスンが行われました。
最後に、兵庫県の多文化共生サポーターとして、小学校や中学校で通訳や指導補助をしている立花由香さんから、日本とベトナムの教育方法の違いや、ベトナム人保護者と日本人教員の教育観に対するずれなどについて、具体的な例を用いた説明がありました。たとえば算数の記号の規則では、「3:1」は日本では「3対1」ですが、ベトナムでは「3割る1」と教えられることが、ベトナム人の子どもたちが教科学習の中で混乱したり、保護者が子どもの宿題を見てあげられないなどの問題を生み出しているとのことでした。さらに、日本生まれの子どもとベトナム生まれの子どもでは、自らの言語や文化の受け止め方、ベトナムという国のとらえ方などが異なるという点、保護者との意思疎通を図ることの困難な点、学校が抱える問題点などに触れるほか、多文化共生サポーターの立場から必要に応じた日本語指導の実施など学校に望むことを挙げられました。
参加者は、教育現場での現状・活動内容の情報交換や、現場で抱える問題や悩みに関する意見交換を活発に行いました。
