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2003.4.27

ラオスコミュニティー
ラオスのお正月
祭だんの前で祝う子供たち

祭だんの前で祝う子供たち

在日本ラオス協会主催のラオスのお正月を祝う行事「ラオス新年」が、2003年4月27日(日)に神奈川県の綾瀬市文化会館にて開催されました。在日本ラオス協会の高杉 光一(ペンワット カムサーン)さんの感想を紹介します。 年に一度の大イベントに、日本に定住しているラオス人と、その家族及び関係のあるNGO、日本人の友人、在日ラオス人民民主共和国大使館職員など合わせて約二百名が参加し、今年もお正月を楽しみました。 今年は仏暦でいうと2546年になります。ラオス国民の大半の人々が信仰する仏教に基づいたお釈迦さまの生誕日にあたる日を新年とし、例年4月中旬に「ソンカーン祭」として盛大に祝います。 家を清め、新しい衣装を身に着け、各寺院に納められた仏像を出して洗い清め、また、人々は新年を迎えるにあたって雨や豊作を祈り、お互いの幸福と健康を祈って水をかけ合うので、「水かけ祭」ともいわれています。 14世紀ごろから仏教を基にラオスの文化が発展し、このソンカーン祭も仏教と深く関わっており、ラオスの歴史とともに歩んできた伝統文化です。異国日本に暮らすラオスの人々がこの文化を絶やさぬようにするため、在日本ラオス協会が毎年このお祭りを開催しています。 近年、母国ラオス政府の開放政策により人々の往来が容易になり、情報を得ることも可能になったおかげで、日本及び第三国に定住している人々は、望郷の念がますます強くなりました。この祭りを盛大に祝うための主役である僧侶を母国ラオスから招き、宗教的儀式「バーシー」を行うことが主流になりました。儀式の後には、僧侶から聖水を振りかけてもらい、頭や体を清め、持ち帰った聖水で家を清めたりして、これからの一年の幸福と健康を願うのです。 「バーシー」が終わった後の人々の表情は満たされ、お互いに抱き会って新年を祝う顔も満面の笑顔でした。このように人々が幸せになるのを見ると、同じラオス人である主催者としてもやりがいがあり、参加者の大半から、このイベントはラオス人の心のよりどころであるという意見が多く出るところからもそれがうかがえます。 故郷を離れ二十数年の歳月が過ぎ、家族と生活のためにがむしゃらに働き、物質的には恵まれましたが、これからは心のよりどころとして、ラオス人同士及び日本人との交流の機会を多く提供できる場を設置する必要があると感じています。

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