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2007.6.21

ワークショップ難民2007(神戸)

難民事業本部関西支部では、一般の方に難民についての理解を深めてもらうため、「ワークショップ難民」を2007年6月21日、28日にひょうごボランタリープラザで開催しました。両日とも学生から年配の方まで約20人の参加者がありました。 まず、第1回「難民とは誰か?」では、「民族対立による内戦が激化したため、隣国へ逃れた人」、「留学中に政変があり、自国へ戻ると迫害を受けるおそれのある人」など7つのケースのうちどれが難民かを考えました。「地球温暖化のために島が水没し、他の国に移った人」は難民ではないという解説に、参加者からは新聞等で環境難民と載っているので難民だと認識してしまっていたとの意見もあり、メディアの影響力は大きいと感じました。次に、もしあなたが難民として国を脱出しないといけない場合、何を持ち出すかを決めるというワークを行いました。「敵の軍隊が近付いているので制限時間3分間」、「荷物は5つ」と少しでも切迫する感覚を感じてもらいたかったのですが、なかなか決められず時間切れになってしまったグループもありました。参加者から出された荷物で一番多かったものは、やはり飢えを凌ぐ「食料」「水」で、「薬」「車」「金」といった物も出ました。このワークには何が正解ということはありませんが、一般的には難民が発生する国は貧困である場合が多いため、徒歩での移動が多く重い荷物はたくさん持てません。また、薬や貴金属を持っている人もほとんどいないのが現状です。最後に、難民キャンプで難民がどのように生活しているかを、食料の量を予想してもらって考えました。参加者全員が実際の配給量より半分もしくは半分以下に見積もっていましたが、難民も私たち同様に1日約2,000kcal摂取できるよう配給されています。なお、参加者からキャンプ内での治安について質問がありました。受入国が治安の責任を担うのですが、武器が持ち込まれたり、女性が性暴力を受けたりすることが問題となっています。 第2回「難民とともに暮らす」では、言葉や文化、価値観が異なる異国での生活を、ロールプレイを通して体験し、「共生」について考えていきました。ベトナム難民が住むアパート内で、文化の違いから夜中の騒音や料理の匂いが原因でトラブルが起きたとの想定のもと、それぞれがベトナム人、日本人住人となり、解決に向けての話し合いを演じてもらいました。カラオケやパーティをする際には時間を決め、事前に申し出てもらうといった解決策が出され和気あいあいと話し合いを行っているグループもありましたが、実際のケースではなかなかこのように解決の糸口が見つかることは難しいと皆さんが感じていたようです。 今回のワークショップでは、参加者から「難民の基礎的なことを学ぶ機会となった」との感想や、「もっと多くのことを知りたい」との声も聞かれました。関西支部は、これからも難民や難民問題について身近に感じてもらえるワークショップを企画していきます。

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