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2006.1.23
国際救援センターの公衆衛生「救命救急」
2006年1月23日(月)、国際救援センターで大井消防署による救命救急の講習会が行われ、放課後、入所者たちは応急処置について学びました。救命救急の講習会は入所者たちが日常生活において何か緊急事態に遭遇した時に焦らず的確な判断と行動を身につけるために実施しています。
講習会は、通訳を介して隊員の方が説明するという形で進められました。
隊員の方より、「人は呼吸が止まってから6分以内に死亡する割合が高く、その確立は80%になります」という話がありました。それを聞いた入所者たちは声をあげて驚いていました。その後、心臓マッサージと止血法についての説明が始まりました。
心臓マッサージの練習では、5体の人形を使って、1グループ5、6人に分かれて行われました。初めに隊員の方が見本を見せてくれました。まず、倒れている人(人形)を見つけると、その場に向かう際の自分の身の安全を確認することを第一優先にし、安全確認ができたうえで倒れている人の側に駆け寄り、肩をたたきながら「大丈夫ですかー?」と意識があるかどうかを確かめます。入所者たちも「ダイジョウブデスカー?」と恥ずかしそうに声を出していました。
実際に心臓マッサージや人工呼吸をやってみると意外と体力が必要なことが分かり、感想を聞いてみたところ、「疲れた」「大変だった」と言う声が多く上がりました。
次に三角巾を使って止血法を学びました。心臓マッサージにはしりごみしていた高齢者や子どもたちも、止血法には自ら進んで参加していました。三角巾は止血や創傷部分の保護および感染防止などのために使われ、頭や手、足などけがをしたところに合わせて布の形を変えたり縛り方を変えたりできます。みな説明を熱心に聞いていましたが、なかにはまだ話が終わらないうちから動き出す人もいました。
入所者と隊員の方が、ジェスチャーやゆっくりとした日本語でコミュニケーションを図っている光景がしばしば見られ、言語の壁を越えた人と人との交流が和やかに繰り広げられていました。
3月末にセンターを退所して、いよいよ日本の実社会に飛び込む入所者たち。彼らにとって今日のような経験は、単に応急処置を学ぶだけでなく、初めて出会った人とコミュニケーションを図るいい機会ともなったようです。
