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2004.8.9

国際救援センターの救命救急講習会 国際救援センターでは、大井消防署の協力により2004年8月9日(月)に入所者を対象に救命救急講習会を開催しました。 「救急車が来るまでのたった5分でその人の生死が決まる」。しかし救急車が出動要請を受けてから現場に到着するまでの時間は東京都内で5〜6分かかるといわれています。医師の手に渡るまでの間、手当てを必要としている人は「傷病者」と呼ばれます。誰もがその「傷病者」になる可能性があります。講習会では、救急隊員が到着するまでのわずかの時間に私たちにできること、しなければならないことを学びました。 始めに応急手当の目的についての説明がありました。「救命・悪化防止・苦痛の軽減」3つを実行するための基本、三角巾を使ったケガの手当てと心肺蘇生を教えていただきました。隊員の方々のデモンストレーションに続き入所者も実際に三角巾を使って頭・腕・膝の手当てを練習しました。巻く人も巻かれる人も真剣です。「どうやってやるの?もう一度やってみてください」。質問が飛び交い、できるまで何度も何度も練習を繰り返し挑戦していました。
外出血があるときは、傷口を直接圧迫する「直接圧迫止血法」で出血を止めることが必要になる。三角巾を折りたたみ止血帯として使用する。
三角巾を身体の斜めに使い、首の後ろで結び腕を吊る。骨折や脱臼など安静にする際に使用する。家庭でも救急箱に三角巾を常備しておくと万が一のときに役立つ。
医師以外の人でも、器具や薬品を使わずにできる処置を一次救命処置という。1)気道の開放 2)口対口の人工呼吸 3)心臓マッサ―ジ、入所者も隊員の方の指示に沿って蘇生に挑戦した。
生命活動のすべてをつかさどっている脳は3〜4分程度の無酸素状態が続くと機能回復が困難になるといわれています。心肺蘇生はとても重要ですが心得の無い者がするとかえって危険とのこと。当日はダミー人形2体を使って正しい人工呼吸と心臓マッサージのやり方を実際に見せていただきました。人工呼吸は気道(鼻・口から肺までの空気の通り道)の確保が難しく、心臓マッサージは力の加減が難しい上に体力も必要と説明がありました。入所者の中から希望者数名がダミー人形の蘇生に挑みました。隊員の方の熱心な指導と的確なアドバイス、そして何より入所者の懸命な思いが伝わりダミー人形は生命の危機を脱することができました。 入所者が実社会に出て、いつかどこかで「傷病者」に遭遇したら、この貴重な体験を「ためらわない勇気」で実践してほしいと強く感じました。

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