INFORMATION
2001.6.1
定着指導・雇用状況調査の実施
難民事業本部では、例年数回、定着指導・雇用状況調査としてインドシナ難民定住者を雇用している企業や管轄の公共職業安定所などを訪問し、状況を伺っています。2001年6月に大阪府及び兵庫県の企業並びに所管の布施及び姫路公共職業安定所を訪問しました。
訪問した企業では、現在特に問題はなく良好に定着しているとのことであり、定住者も元気で就労している状況がうかがえました。公共職業安定所では、管内の外国人労働者の雇用状況という面 で話を伺い、不況下で求人件数そのものが少ない中、企業側からは日本語能力の重要視があるほか、安全な作業を行うための管理等の面 で不安があること。また、定住者に対しては、社会情勢に関する情報不足や職業能力の自己評価ができていないなど、定住者の求職に関する意識の問題も指摘されました。
今後とも、企業には定住者に対する認識と理解が、定住者には社会環境の理解や日本語能力の向上が不可欠であると思われました。
定住者を雇用する企業の状況として、訪問企業のトミタテクノス(株)の冨田会長のお話を紹介します。この企業は、金属プレス加工による車のスピーカーフレームやOA部品の製作、金型設計等を行っていて、姫路定住促進センター開設以来多数の定住者が雇用されており、現在26名が日本人と共に就労しています。
「いわゆる3K作業の職場であり、日本人の若年労働者が育ちにくい中にあって、定住者は多忙時の残業や休日出勤等にも快く応じてくれ、職場になじんでもらえているし、言葉の面での多少の悩みはあるものの、標準作業や機械操作等仕事の習熟は良いと思われる。一方、終業時間の割り切りは敏感で、作業があっても終業時間には止めてしまうとか、長期に里帰りをしてしまう、といった日本人従業員から見ると不満がでる部分もあるが、幸い、定住者である製造部次長が、仕事上の管理や調整を行うことで全体的には良好な関係である。今後、日本が少子高齢化する中で、定住者を雇用し活躍してもらうことは、技能の伝承の面
でも必要なことと思っている。」
