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2019.3.1

難民定住者のコミュニティー活動を支援しています

 難民事業本部では、難民定住者のコミュニティー団体が実施する情報交換や地域社会との交流活動等に対して助成を行っています。これまで支援しているインドシナ難民のコミュニティーに加えて、2005年度からは条約難民のコミュニティーに対する支援も始まりました。ここでは、これら支援の一部をご紹介します。

ベトナムコミュニティー

更生を支援する懇談会

 窃盗などの罪を犯したベトナム難民に対し、日本政府から退去強制令が発布され、在留資格を失ったベトナム難民がここ数年間に全国に数十名います。ベトナム政府は国を出た難民を再び受け入れないという方針を取っているため、ベトナム難民は帰国できません。
 彼らは刑務所を出所後、退去強制令が出され入国管理センターに収容されたのち仮放免された状態にあります。家族の元に帰ったり、友人、知人のところに身を寄せていますが、外国人登録証には「在留資格なし」と記され、就労できず、また国民健康保険や生活保護などの社会保障を受けることができない状態で生活を送っています。
 2005年12月23日に、神奈川県大和市にある大和カトリック教会において、同教会のグエン ミン ラップ神父が中心となって、神奈川県在住の在留資格を失ったベトナム難民の更生支援を目的とする更生を支援する懇談会」の第1回が開催され、17人の関係者がつどいました。
 第2回は、ベトナムではテト(旧正月)となる2006年1月29日(日)に、大和市南林間にあるレストランで開催され、在留資格を失ったベトナム難民や家族、また、支援者など13人が参加しました。このレストランはベトナム難民定住者が店主をしており、店主がベトナム正月の儀式を執り行い、参加者一同で一年の平安を祈りました。その後の懇談では、ベトナムの正月料理を味わいながら、病気の治療について、就労のこと、日本語学習の成果についてお互いに報告した後、日本社会における各人の更生努力について熱心に話し合われ、この会の継続を皆で約束し合いました。

グループホームをめざす仲間づくりの会

協力しながら肉を焼くメンバーたち
自由で活発な意見交換の場

 2006年1月24日、第6回グループホームをめざす仲間づくりの会が国際救援センター(以下センター)にて開催され、メンバーと日本人スタッフ合わせて18人が参加しました。前回までは単身者のみの集まりでしたが、今回は妻帯者を含む新メンバー3人も加わりました。
 センターが3月で閉所になるため、センターで開催するのはこれが最後ということもあり、皆で張りきってベトナム料理の牛肉フォー・肉だんご・鶏肉サラダを作りました。会食の後はセンターの思い出話をしたり、ベトナム語のカラオケをしたりして楽しい時間を過ごしました。
 メンバーからは、「センターが閉所した後に困ったことが起きた時にはどこに相談すればよいのか?」といった質問がでたので、当難民相談員から、「引き続き広尾の本部事務所で相談業務を行っていくので、心配しないでほしい」と説明しました。また、会の今後のあり方が話し合われ、「ベトナム料理や音楽等の文化を楽しみたい」「バーベキューをしたい」など、活発な意見交換ができました。
 この会も6回を重ね、新しい生活のため遠方へ引っ越した人もおり、メンバーも少しずつ入れ替わり、新しく会に参加する人もいます。
 次の会合は3月に東京都小平市の社会福祉法人黎明会黎明寮において行われる予定です。

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