2019.3.1
難民定住者のコミュニティー活動を支援しています
難民事業本部では、難民定住者のコミュニティー団体が実施する情報交換や地域社会との交流活動等に対して助成を行っています。これまで支援しているインドシナ難民のコミュニティーに加えて、2005年度からは条約難民のコミュニティーに対する支援も始まりました。ここでは、これら支援の一部をご紹介します。
![]() |
ラオスコミュニティー | ![]() |
![]() |
![]() |
年金学習会
![]() |
2007年4月1日(日)に、在日本ラオス協会主催の「年金学習会」が神奈川県愛甲郡愛川町所在の在日本ラオスセンターにて開催されました。ラオス人定住者が多数集まり難民事業本部職員2人と社会保険労務士4人が年金の基本を説明、そのあと個別相談を行いました。合計18人が出席しました。在日本ラオスセンターは、桜満開の美しい自然に囲まれており、参加者もわきあいあいと学習会に参加しました。
社会保険労務士の講師が3種類の年金のパターンについて黒板を使って説明しました。内容は、「年金を受給するためには、国民年金だけの場合でも、国民年金と厚生年金の混合の場合でも合計で25年間の支払い義務があり、また、カラ期間(例えば、海外に滞在していて日本におらず、年金を支払っていない期間)がある場合はカラ期間を含めて25年間の支払い義務があり、どのパターンでも25年間の年金受給資格期間が必要」でした。
個別相談の時間では、熱心に自分の年金手帳を見せながら、老後の計画を語りつつ指導を受けました。主な相談ケースは以下のようなものがありました。
- 60歳と65歳になってから支給される年金の種類
- 遺族年金を受給する際の条件
- 厚生年金を9年間支払い後、遺族である妻と子供の年金受給額
- 雇用保険と年金受給の関係
- 永住者はカラ期間が認められるが、定住者はカラ期間が認められない等
- 外国人の年金
- 仕事中の事故に関する労災と年金の問題
参加者はそれぞれ、自分が抱えている問題に対してアドバイスを受けることができ、相談後はとても安どした様子でだんらんし、学習会は有意義なものとなりました。
なおこの活動には、難民事業本部も助成金等で支援しています。
![]() |
カンボジアコミュニティー | ![]() |
![]() |
![]() |
カンボジアのお正月2007文化交流会
2007年4月15日(日)、在日カンボジア人のコミュニティー団体によるお正月を祝う行事が相模原市けやき会館で開催されました。カンボジアでは仏教暦でお正月を祝うため、毎年この時期の休日を利用して居住地を中心とした自助グループや民族の文化継承に力を注ぐグループなど、お互いに協力し合ってこの行事を開催しています。
会場には、鮮やかな色彩の民族衣装をまとったカンボジア人たちが喜々として集いお正月らしい華やかな雰囲気に包まれました。
午前中は仏教の伝統儀式にのっとり二人の僧侶による読経と年頭の言葉があり、定住者たちは熱心に頭を下げて聞き入っていました。来賓の挨拶後、カンボジア料理や正月料理が出され、歓談をしながらカンボジア料理を味わいました。
そして、食事後には華麗な民族の舞踊や音楽を楽しみました。会場は、時間が経つにつれ盛り上がり、若者の歌に合わせて民族舞踊の輪ができ、列席した日本人たちも踊りを楽しみました。
主催した在日カンボジア人調整委員会の代表によると「今回の行事には日頃コミュニティー活動に関心を示さなかった高校や大学に通う若い世代の参加も多く、頼もしく感じました。当日の参加者は700人を超えました」とのことでした。
なおこの活動には、難民事業本部も助成金等で支援しています。
![]() |
ラオスコミュニティー | ![]() |
![]() |
![]() |
ラオスのお正月行事
2007年4月15日(日)、柔らかな日差しの中、若芽が美しい山並みを相模川沿いに上流に向かうと高田橋にぶつかります。橋を越えた坂道の上は愛甲郡愛川町。そこに在日本ラオス文化センターがあります。
在日ラオス人たちが共同で購入した民家に仏教寺院に模した飾りつけを施したセンターの庭には仏像が配置され、そして更に2メートルほどの高さで造られた塔があります。これは母国ビエンチャンにある仏教のシンボル的な大寺院、タートルアン寺院を模して定住者たちが作ったものです。更にある僧侶が心をこめて作った記念品の7つの竜頭が一段と華やいで、この日「ラオスの仏教暦お正月」に集まった人たちを迎えます。その横にはテント、紅白の垂れ幕がしつらえられ、仏教儀式にのっとったお正月の式典を執り行います。托鉢、バーシーそして水掛けなど本国行事のとおり、僧侶を中心に始まります。バーシーとは黄色のひもを経を唱えながらそれぞれ結び合い、一年の幸を願うという古来からの儀式です。
日ごろは忙しさで会えない同国人同士が顔を合わせて喜びを分かち合い、持ち寄ったラオス料理を食べながら楽しい歓談の時を過ごしました。
この行事を祝して、在日本ラオスの大使と難民事業本部長が来賓として祝辞を述べました。
なおこの活動には、難民事業本部も助成金等で支援しています。
![]() |
ベトナムコミュニティー | ![]() |
![]() |
![]() |
ベトナム建国記念の集い
2007年4月15日(日)、日本在住ベトナム人協会をはじめとする5団体の共催で、東京都渋谷区の全郵政会館にて「ベトナム建国記念日の集い」が開催され、ベトナム難民定住者を含む在日ベトナム人と日本人が約200人集まりました。
まず、ベトナムの民族衣装に身を包んだ年長者により、祭壇で先祖に敬意を表する厳かな建国祝いの儀式が行われた後、来賓の挨拶がありました。乾杯の後は、開催団体の関係者が持ち寄った生春巻きなどのベトナム料理を、参加者が舌鼓を打って食べました。食後のアトラクションとして、ベトナム語の歌謡曲のカラオケやビンゴが行われ、大人も子供も盛り上がりました。
難民事業本部は、ベトナム難民定住者のコミュニティー活動として本イベントを支援しましたが、普段は離れた地域に住んでいる定住者が集まって交流し、楽しいひとときになりました。
なおこの活動には、難民事業本部も助成金等で支援しています。
関連記事
- 2020.12.11
- UNHCR難民高等教育プログラムを活用し大学へ進学した難民定住者
- 2020.01.31
- 千葉県在住第三国定住難民を対象に地域相談会を開催しました(2020.1)
- 2019.03.01
- 「支援者の声No.10」就職相談支援−ある日の生活相談から−
- 2019.03.01
- 「支援者の声No.11」共生にむけて
- 2019.03.01
- 「支援者の声No.12」(株)共栄製作所の取組み