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2019.3.1

難民定住者のコミュニティー活動を支援しています

 難民事業本部では、難民定住者のコミュニティー団体が実施する情報交換や地域社会との交流活動等に対して助成を行っています。これまで支援しているインドシナ難民のコミュニティーに加えて、2005年度からは条約難民のコミュニティーに対する支援も始まりました。ここでは、これら支援の一部をご紹介します。

ベトナムコミュニティー


グループホームをめざす会の集い

 2004年3月に発足したベトナム人定住者の精神障害者の自立をめざす仲間づくりの会は、今年で3年目を迎えました。2007年7月31日(火)、東京都東大和市にある救護施設黎明寮の自立促進用アパートにて、「グループホームをめざす会の集い」として今年度第2回目の行事が開催されました。精神障害を持ちながらも自立した生活に向けて努力をしているベトナム人定住者や日本人支援者を含む約15人が集まり、揚げ春巻きを添えたビーフン丼とちらし寿司を作りました。調理後は料理を囲みながら、料理への感想やそれぞれの生活の様子、今後の集いに対する抱負や希望などの意見を交換しました。
 久しぶりに再会した参加者もいましたが、野菜を切る、春巻きを巻くなどの作業を通じて会話がはずみ、和やかな雰囲気の中で全員が料理に参加することができました。参加者の1人は自宅最寄りの区役所で日本語学習を始めたことを報告。他のベトナム人や中国人、韓国人などとともに学んでいるそうです。他の参加者も日本語学習に対する関心が高く、食事の後には皆で漢字を使った簡単なゲームをして大いに盛り上がりました。久しぶりに参加した人は、しばらく人に会いたくなかったという以前の心情を吐露すると同時に「これからはこのような集いにもっと参加したい。」と抱負を述べていました。
 料理作りや作業中の会話などを通じて参加者同士が自然にコミュニケーションを図り、この集いが徐々に一人ひとりが社会性をとりもどすための手助けとなれば嬉しいです。次回は9月に野外活動を予定しています。
 なお、この活動には難民事業本部も助成金等で支援しています。

ミャンマーコミュニティー


在日ミャンマー芸術家による舞踏祭

 2007年7月29日(日)に在日ミャンマー芸術活動家による舞踏祭が豊島公会堂にて開催され、難民定住者を含む在日ミャンマー人や日本人など約300人が来場しました。
 ミャンマー伝統楽器の楽団による生演奏をバックに、ミャンマーの宮廷舞踊やパガン時代の踊りが披露され来場者の目を楽しませました。また、ミャンマー舞踊の専門家が、日本ではめったに見られないという珍しい踊り(ミャンマー伝統の人形劇や演劇に登場する7人の人物を1人で演じ分ける踊り)を舞いました。在日ミャンマー人作の劇も上演され、主演女優の大熱演に大きな拍手が送られ、伝統的なこっけいな言い回しには笑いも起こっていました。最後にミャンマーの伝統芸能である「アニェイン」(漫才と踊り、寸劇が入ることもある)が演じられ、踊り手のきらびやかな衣装やにぎやかな歌、踊りに来場者も大変盛り上がりました。
 在日ミャンマー芸術活動家といっても日ごろは仕事や育児に忙しい出演者も、この日は芸術家として大活躍でした。
 なお、この活動には難民事業本部も助成金等で支援をしています。

カンボジアコミュニティー


カンボジア語教室

 カンボジア語教室が平塚市横内在住の定住者の自宅で、2007年6月末から隔週で開かれています。7月28日(土)の同教室には、夏休みに入ったばかりのカンボジアの子どもたちをはじめとする約10人の定住者が集まり、熱心にカンボジア語の基礎を勉強していました。
 カンボジア語の文字は、33個の子音文字の上下左右に21種類の母音記号やその他の記号をつけるというものです。カンボジアでは小学校の約3年間をかけてこれらの文字の読み書きが教えられます。日本に定住するカンボジア難民定住者の子どもたちはカンボジア語を聞いて理解はできても、読み書きや会話をうまくできないことが多いようです。
 同教室では特に文字の書き取りや発音の指導が丁寧になされていました。教室では講師2人の指導の下で、子どもたちは文字を発音しながら各自のホワイトボードに文字を書いては消し、消しては書くという作業をしていました。1回のクラスで約5文字のペースで文字を覚えるので、「これなら続けられる!」と子どもたちの一人は楽しそうに語ってくれました。
 同教室は、カンボジア語を学びたい定住者の子弟に広く開かれています。これからカンボジア語を学びたい定住者の子弟が増え、また、カンボジア語学習の活動を通じてコミュニティーの活動がいっそう活発になることを期待したいと思います。
 なお、この活動には難民事業本部も助成金等で支援しています。

カンボジアコミュニティー


次世代のための文化伝統を継承する会(カンボジア)

 神奈川県平塚市内に「アプサラレストラン」というカンボジア料理の店があります。カンボジア出身の難民定住者らが協力しあい今年3月に開店しました。休日になれば近隣に住む多数のカンボジア人たちが集まり憩いの場にもなっています。
 このレストランの店長(在日カンボジア人調整委員会所属難民こども会会長)らは、カンボジア出身の若い世代や子どもたちに母国の伝統文化も継承してもらいたいとの思いから、店内で「次世代のための文化伝統を継承する会」の行事を6月と7月に2回づつ開催し、カンボジア民族舞踊のけいこをしました。
 2007年7月21日(土)には、小・中学生の女の子たちが、レストランに来ていた難民定住者の先輩たちの期待に応えようと、恥ずかしそうにしながらも一生懸命に踊りのけいこをしていました。
難民事業本部ではこのコミュニティー活動を支援し助成しています。


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