2019.3.1
難民定住者のコミュニティー活動を支援しています
難民事業本部では、難民定住者のコミュニティー団体が実施する情報交換や地域社会との交流活動等に対して助成を行っています。これまで支援しているインドシナ難民のコミュニティーに加えて、2005年度からは条約難民のコミュニティーに対する支援も始まりました。ここでは、これら支援の一部をご紹介します。
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ベトナムコミュニティー | ![]() |
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名称:グループホームを作る仲間づくりの会
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前日までの真夏日のような日照りから一転、さわやかな秋風が顔をなでていくようなすがすがしい秋晴れの2007年9月26日(水)、国営昭和記念公園に、ベトナム人とその支援者14人が集いました。このグループはベトナム難民で精神に障害を持っている人たちの集いです。2カ月に1度集まっては交流を行ってきました。この日は野外でのレクリエーションです。本年度屋外での会は、5月に秋川渓谷で行った釣り大会以来です。会場となった公園は、2級の精神障害者保健福祉手帳を持っている人とその付き添いの人は入場料が無料になります。
「日本でこのような会場に仲間と来ることができるなど、数年前では考えられなかった、とても孤立していたので日本の季節の良さを味わうことができなかった」とメンバーの一人は感慨深い様子で美しい秋の花いっぱいの公園の庭をゆったりと歩きながら話します。
準備したバーベキュー用品、食料を手分けして取り出し、洗い場にもって行き、野菜を切る人、炭火をおこす人、くつろぎの場つくりなどを手際よく自分の得意のものから始めます。バーベキューメニューにはベトナム人に大人気の肉団子が加わりました。これは豚ひき肉にたくさんの香辛料を入れニンニク等を加えた香りのたつ肉団子です。
この後、メンバーは健康など生活上の問題について語り合いました。当日、休んだメンバーの一人が、みんなのために缶コーヒー一箱(24本入り)をプレゼントしてくれました。「○○さんの気持ちはうれしいけどこんなにお金を使うのは気の毒。自分のために使ってほしい」と皆口々に言いました。このプレゼントには「嬉しかった」とお礼を言い、今度は「出てくれることが嬉しいので待っているよ、プレゼントは何度もしなくてよいから」と伝えることにしようと話し合いました。
メタボリック症候群について皆関心があり、悩みを抱えたメンバーに対し、野菜摂取を呼びかけました。また、アルコール依存症で施設に入所したメンバーの一人は今年3月以来仲間に助けられて飲酒していないことに拍手を送られていました。
同日参加した日本語ボランティアはベトナム人の明るさ、ひょうきんさにすっかり打ち解け、また参加したいと感想を述べていました。
なお、この活動には難民事業本部も助成等で支援しています。
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ベトナムコミュニティー | ![]() |
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「ベトナム中秋節を祝うつどい」 NGOベトナムin KOBE
2007年9月23日(日)夕刻、神戸市長田区のたかとりコミュニティセンターにてNGOベトナムin KOBEの主催による「ベトナム中秋節を祝うつどい」が開催されました。中秋節は毎年旧暦8月の十五夜を祝うもので、ベトナム人にとっては子ども達のための節句です。
開催を1週間後に控えた16日、メインイベントのちょうちん行列の準備のために集まった19人の子ども達が、コミュニティーの指導者に助けられながら色鮮やかな手作りちょうちんの作製に精を出しました。慣れない作業にも関わらず、自分達の手で作った“作品”に子ども達は満足そうでした。
待ちに待った当日、プログラムは月にちなんだベトナム民話「クオイの物語」のアニメーション上映に始まり、手品、音楽、紙芝居と続き、大阪や姫路からも駆けつけた子ども達はステージにくぎ付けとなりました。子ども達はおおはしゃぎではやし立て、200人の参加者で埋め尽された会場は和やかな雰囲気に包まれました。その後はお待ちかねのちょうちん行列です。子ども達は色とりどりのちょうちんを手に会場の周りを練り歩き、夜の街に浮かび上がったほのかな灯はお祭りに一層の彩りを添えました。そして行列の後には素敵なちょうちんを作った子ども達に賞品が贈られました。最後は、参加者が皆で手をつないでお別れの歌を歌い、お祭りの終わりを惜しみながら三々五々、家路につきました。
伝統行事への参加を通じて子ども達が母国の文化に触れることのできるこのような催しはコミュニティーにとって非常に意義のある活動です。本年度は特に、改装が完了した従来の会場で開催することができ、昨年度と比べて参加者数も増えました。この活動が今後さらに発展し、ベトナム人コミュニティーにおける母国文化の継承に貢献することを期待しています。
なお、この活動には難民事業本部も助成金等で支援しています。
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