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2005.3.1

難民支援活動ワークショップ「イギリスの難民定住支援」

イギリスのレフュジーカウンシルのデン・ヤンさんの講演
難民事業本部は、日本のNGOのスタッフを対象に2005年3月1日、2日に「難民支援活動ワークショップ」を開催しました。今回は、イギリスにおける難民への教育支援について、また支援する際の通訳との協力について、レフュジーカウンシルのデン・ヤイさんを招いて講演を行いました。 イギリスのレフュジーカウンシルは、庇護(難民認定)申請者や難民の定住支援、政策提言、難民に関する調査・研究を行っているNGOであり、デン・ヤイさんは、エジプト、イギリスで語学教育関連の学位を取得し、1999年からレフュジーカウンシルで雇用・訓練・成人教育・政策開発のアドバイザー兼英語教育の上級アドバイザーを務めています。

1.難民への教育支援

難民が受入国において自立して生活していくためには、自立のための知識や技術を身につけることが必要で、そのことにより難民は多くの人と交流し、社会的・経済的成功を収めることができます。そのためには学校、職場、自宅において適切な教育が受けられることが重要となります。 ワークショップではイギリスの例を参考に、難民が教育へ参加するのに障害となっている問題、また参加を拡大するための方法を学びました。
  • イギリスにおいて難民が教育へ参加するのに障害となっていることは、難民自身が教育を受ける権利があることを知らなかったり、教育にかかる費用が不足していたり、海外で取得した資格がイギリスで十分に認識されていないことなどが挙げられました。
  • 参加を拡大するための方法としては、難民が継続して教育に参加できる政策があること、経済的支援があること、カリキュラムに柔軟性があること、適正なレベルで学び、レベルアップにつなげられるカリキュラムがあることなどです。

2.通訳との協力

難民等を支援するには、支援者は多くの場合通訳者を介して活動します。 難民からの相談に応じる場合、難民等の権利を守り、正しい情報を入手するためには通訳者との協力が欠かせず、またいろいろな配慮が必要となります。 ワークショップではクライアント(通訳支援を必要とする難民等)をインタビューする際の、通訳者との協力について具体的な注意事項などを学びました。以下はその一例です。
  • 通訳者は、公平性、守秘義務、利害の衝突を処理する能力が求められます。
  • 支援者は、インタビューの目的、役割・責任・限界の説明、文化的背景の説明など、通訳者との事前の打ち合わせが必要です。
  • インタビューの開始時には、支援者はクライアントと通訳者が同じ言語を話していることを確認し、また、インタビュー中は通訳者と話をするのではなく、クライアントと直接話をすることに努め、インタビューをコントロールすることが大切です。
  • 支援者は、インタビューの前後を通じて通訳者とクライアントが二人だけで過ごすことを回避することも重要なポイントです。

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