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2002.1.23

難民支援活動ワークショップ「スフィア・プロジェクト」

難民事業本部では、日本の難民支援NGOのスタッフの難民支援活動に関する専門性の向上のため、パリナック・ジャパンフォーラム*に協力いただき、「難民支援活動ワークショップ」を実施しています。今回は、2002年1月23日(水)、24日(木)の2日間、スフィア・プロジェクトに関するワークショップを開催しました。講師はアメリカの同プロジェクトトレーナーのジム・グッド氏です。 スフィア・プロジェクトは、1994年のルワンダ難民支援の際、NGOの援助内容にばらつきが生じ難民の人権をも侵す事態が発生した反省から、欧米の大手人道支援NGOが作成した人道憲章と災害援助に関する最低基準書です。その内容は、援助活動における難民・被災民の人権保護が明確にうたわれた「人道憲章」にはじまり、「給水と衛生」、「栄養」、「食糧」、「シェルター」、「保健」という主要5分野に関する援助内容の最低基準の詳細を説明しています。 ワークショップでは、まず、「人道憲章」に記されている人権法、人道法、難民法の内容、背後にある基本的な考え方、これらの国際法が援助活動に与える影響を学習した後、スフィア・プロジェクトに記されている「最低基準」を実際の活動にどのように反映させていくかの概念を学びました。その後、前述の分野ごとに5つのグループに分かれ、スフィア・プロジェクトを利用した緊急時におけるプロジェクトの評価・分析方法に関するケーススタディを行い実践的な力を身につけました。それぞれのグループでは活発な議論がされ、また講師へ多くの質問が出されるなど、参加者が大変真剣にワークショップに参加しているのが印象的でした。 参加者からは、「人道憲章」の重要性を理解することができた、スフィア・プロジェクトを利用したケーススタディを行うことで実践的な力を身につけることができたといった感想が寄せられるなど、参加者にとって大変有意義なワークショップになったようです。世界の緊急人道支援の現場ではスフィア・プロジェクトの有用性が認識され、スフィア・プロジェクトを知らないではすまされない時代が来ています。現場に行く前の実務者のトレーニングとして、今回のワークショップが大きく寄与するものと期待しています。 * 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本・韓国事務所と日本NGOとの対話会合

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