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2010.10.24

「第31回日本定住難民とのつどい」を開催しました

 2010年10月24日(日)、東京都新宿区立新宿文化センターにおいて、第31回「日本定住難民とのつどい」を開催しました。この催しは、定住難民を励ますとともに、日本政府、国際機関、自治体、企業、NGOなどが一体となって難民支援を行っていることを広く国民の皆様に知っていただく機会として、アジア福祉教育財団が主催して毎年行われています。開催するにあたり、新宿区及び公益財団法人新宿未来創造財団をはじめ、関係省庁等各方面の後援および協力をいただきました。

 第一部式典では、当財団綿貫民輔理事長より、第三国定住という新しい形のもとで、本年9月よりタイの難民キャンプからミャンマー難民を受け入れ、現在、日本で生活するうえで必要なプログラムを実施しており、来年春からは地域社会や職場、学校で新しい生活を始める彼らを私たち日本人が良き理解者、友人として後押しをすることが不可欠であると開会の言葉を述べました。

 続いて、来賓の中山弘子新宿区長、武藤義哉外務省総合外交政策局審議官、石黒茂法務省難民認定室長、久保眞治国連難民高等弁務官事務所駐日副代表から心のこもったご挨拶をいただきました。

 難民支援関係者の表彰では、日頃から難民の定住促進についてご理解とご協力をいただいている難民雇用事業所3社並びに難民支援協力者5名に対して感謝状が贈られたほか、自立した生活を営み他の難民の模範となるベトナム、ラオス、カンボジアからのインドシナ難民3名に模範難民定住者として表彰状が授与されました。

 受賞者のスピーチでは、難民雇用事業所を代表して、埼玉県の株式会社中野食品の常務取締役戸部等様より「平成17年に初めて4名の難民を採用し、今ではその数も増え、重要な戦力となり活躍してもらっている。現在6か国の外国籍の方が従事しており、身振り手振りも交えて意思疎通を図る努力を行っている。コミュニケーションが一番大切と思う。」とお話をいただきました。

 次に、難民支援協力者を代表して、公益社団法人国際日本語普及協会理事長西尾珪子様から「1980年のインドシナ難民受け入れに伴い、日本定住のための日本語教育に携わり、以来30年、将来に続く日本語教育の基礎作りの一役を担うことができたことを有難く感じている。」とのスピーチがありました。

 最後に、模範難民定住者を代表して、ベトナム、カンボジアからのインドシナ難民の方々から、日本に来たばかりの頃、日本語や日本での生活に苦労したこと、大変な努力のもと就職し、長年勤めあげてきたこと、今では同じ難民の手助けとなれるようボランティア活動にも携わっていることなどの報告とともに、これまで支えくれた人々への感謝の言葉が披露されました。

 第二部アトラクションでは、武蔵野中学・高等学校マーチングバンドWINGS(ウィングス)の迫力と若さ溢れる演奏、演技でスタートしました。続いて江戸末期からの伝統を受継ぎ、新宿区の無形文化財に指定された祭囃子が披露され、貴重な伝統文化に触れることができました。また、ミャンマー難民、カンボジア難民、ラオス難民、ベトナム難民の民族舞踊が披露され、インドシナ難民が日本に定住を始めて30年以上が経過していても、母国の伝統文化を誇りに思う気持ちが、第二世代、第三世代に着実に引き継がれていることを感じさせる舞踊と歌が繰り広げられました。プログラムの最後は、イリュージョン・パフォーマンス(「YUSHI&MJ COOL」)によるダイナミックなショーで会場も大いに盛り上がり、幕を閉じました。

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