地域社会との交流

地域社会との交流 サマーキャンプ2001
サマーキャンプ2001「若者世代による討論会」
7月28日(土)、29日(日)の両日、国際救援センターにおいて「サマーキャンプ2001」を開催しました。今回で三回目となる「サマーキャンプ」ですが、開催の意図はインドシナ難民定住者が日本社会で自立に向け一生懸命努力しているものの、まだまだ周りからの支援を必要としている状況を踏まえ、定住者と日本人が一堂に会し、相互理解を深め、信頼関係を築くことによって定住者の円滑な社会生活につなげたいというものです。 プログラムとしては参加者にインドシナ難民について理解を深めてもらうものとして、(1)難民問題ワークショップ、(2)若者世代による討論会、(3)難民関係のパネル展示等がありました。また、インドシナ三国(ベトナム、ラオス、カンボジア)と日本の文化交流ということで、インドシナ三国の文化として(1)母国料理デモンストレーション、(2)民族衣装等の展示、(3)ベトナムの遊び(羽根けり)が、また、日本の文化として、(1)書道教室、(2)日本の遊び、(3)武道(少林寺拳法)デモンストレーション等が行われました。この他にも、定住者の子供(中・高校生)を対象とした日本人ボランティアによる学習指導と教育相談、定住者の子供(小学生)と日本人ボランティアによる小学生とのふれあいというプログラム、また、定住者の親と子の世代間にカルチュラル・ギャップ(文化的隔たり)が生じていることを考慮して、子供たちに対し母国文化について講話をするなどの母国文化継承教室が行われました。28日の夕刻には屋外広場で参加者交流として、民族衣装のファッションショー、民族舞踊、盆踊り等がバーベキューを交えて行われました。 特に、難民問題ワークショップでは難民の母国脱出から日本定住までの当時の記録映像を上映するなどし、参加者の難民に対する理解を深める上で役立ったと思われます。また、若者世代による討論会では、若い定住者と同世代の日本人により活発な討論が行われましたが、いわば日本育ちともいえる定住者といえども、日本社会に壁を感じていること、また、二つの母国のはざまで揺れている姿がにじみ出ていました。 今回のサマーキャンプの一つの特色としては、これまでと比べ参加者の多くは若者世代であったことが挙げられます。この理由としては、日本語能力の高い若者世代は日本人との交流にもそれほど大きな抵抗感がないため参加を容易にしていると考えられます。参加者数も一日半の日程で延べ約900人に上り、定住者がかなりの部分を占めました。定住者の人々は日ごろ同胞間での交流は比較的限られた範囲になっているようで、年に一度国際救援センターのような広い場所で多くの同胞と会し、思い切りエネルギーを発散させることがストレス解消につながるとして、この「サマーキャンプ」をとても楽しみにしているようです。

第86期入所者の日本語教育 戸外学習

第86期入所者の日本語教育 戸外学習
戸外学習で品川水族館を訪れる高齢者クラス
2001年7月18日(木)国際救援センター第86期入所者は、日本の交通 機関の利用方法等を学ぶため、品川水族館行き(高齢者クラス、児童クラス)と東京タワー行き(成人クラス)に分かれて戸外学習を行いました。入所者のほとんどは日本に来て間もない人たちです。バスの乗り方や電車の切符の買い方、レストランでの注文の仕方等は教室で繰り返し練習していますが、戸外学習はこれを実際に体験するものです。 当日は、30度を超える暑さの中センターを出発し、品川水族館へはバスを乗り継ぎ、また、東京タワーへはバスや地下鉄、モノレールを乗り換えて向かいました。バスの乗車の際は生徒の一人が後ろの生徒へ母国語で乗車料金を伝達したお陰で全員が問題なく乗車できました。児童クラスでは、切符販売機に片手を精一杯伸ばし、一人で切符を購入する姿が、成人クラスでは、生まれて初めてモノレールに乗り、揺れて落ちるのではないかと心配をする姿も見られました。 生徒たちは日本の交通機関を実際に利用し、また、日ごろ教室で学んでいる日本語を使用する機会を持つことができ、貴重な一日を過ごしました。