国際救援センターの公衆衛生「食中毒予防」

国際救援センターの公衆衛生「食中毒予防」 日本では、食中毒を起こす菌は15種類も存在しています。特に夏には、食中毒が起こりやすい季節です。国際救援センター入所者にとって、初めての日本の梅雨、夏を迎えるため、2005年5月30日に、看護師が食中毒予防についての講義を行いました。52名の受講者は真剣な面持ちで参加しました。
食中毒の原因は腐った食物に付いた菌です。受講者に、『菌はどこに居ると思いますか?』と質問すると、意気揚々と日本語で「食べ物」や「お腹」と答えていました。 『菌が体内に入るとどうなりますか?食中毒になると、どんな症状になると思いますか?』と質問しながら、食中毒の症状、処置について話を進めました。 『下痢になった場合は、我慢しないでトイレに行きましょう。処置方法はとにかく水分補給をすることと体力保持に気をつけることです。スポーツ飲料や温かいお茶などを飲んで脱水を防ぎ、安静にしていましょう。予防は、食品の“消費期限”が過ぎたものは思い切って捨てること、牛乳・魚・肉・卵を買ったらすぐに冷蔵庫へ入れること、調理ではよく火を通し、また残り物を食べるときは再度火を通すこと、包丁やまな板を熱湯でよく洗うことです』などの注意を促しました。
昨年この時期に数名がセンター近くの川でザリガニを獲り、調理して食べてしまうということがありました。どうやら母国でザリガニを見たことがなく、形状からエビと間違えていたようです。今期生に一般の河川で育ったザリガニは食用ではないため、食べないようにと黒板に絵を描いて説明しました。 これからの季節は、食中毒の菌が増えやすくなるので、食品、特に生ものには注意が必要です。
ミニ知識:

“賞味期限”と“消費期限”の違いわかりますか? 現在はどちらも記入され、“賞味期限”とは美味しさの期限、“消費期限”とは品質の期限のことなのです。“賞味期限”・“消費期限”どちらもきちんと守りましょう。

国際救援センター94期生の日本語特別補

国際救援センター94期生の日本語特別補 国際救援センターでは約4ヵ月間、日常生活に最低限必要な日本語を読み、書き、聞き、話す力の習得を目標とした日本語教育を行っています。授業は、1日6時限で月曜日から金曜日です。 これら通常授業のほか2005年5月18日(水)から日本語習得のレベルアップを目指した特別補講(毎週水曜日)を開講しました。 補講は通常授業の終了後1時間、希望者がAコースとBコースの2クラスに分かれて受講します。
Aコースは、パソコンの操作マニュアルや周辺機器の取扱説明書を読み、機械の操作方法と説明書を読解する力を身につけ、自分でインターネットを使い、必要な情報を得ます。 Bコースは、日本社会の仕組みや数・図形に関する知識・語彙をモジュール形式で学習します。
Aコースは12名が受講しました。 パソコンを使ったことがある経験者が対象になります。母国語だけでなく日本語でメールのやりとりやインターネット検索ができるようになることが目標です。 パソコンの入力方法は、かな入力ではなくローマ字入力で学習しました。 この日のアルファベットの読み方では、講師がA(エー)から順に発音していきました。「ブイ、ダブリュー、エックス、ワイ、ゼット」受講者たちからは発音が違うという声があがりましたが、「アルファベットも日本語での発音は異なります」と説明を受けると、みんな一生懸命に発音練習に取り組んでいました。 Bコースはモジュール形式なのでテーマによって受講者が変わります。受講者の総数は25名です。コースの一覧(PDF 116KB) この日は引っ越した先で、近所の人とスムーズにコミュニケーションを取るというテーマを約13名が学習しました。 なぜあいさつが大切なのか、どうあいさつしたら効果的か、いろいろな場面設定を作って学んでいます。 単にあいさつの用語ではなく、言葉とコミュニケーションの持つ役割とを結びつけた実践的な授業でした。