スタディツアー2007夏を開催しました

スタディツアー2007夏を開催しました

難民事業本部は、2007年8月9日(木)と10日(金)の2日間、難民支援に携わる国際機関、 NGOなどを訪れる「スタディツアー2007夏」を開催しました。参加者の数は募集を上回る28名で、その中には広島県や山口県など遠方から参加した学生もいました。
 

●「スタディツアー」スケジュールと概要

1.難民事業本部本部事務所(説明:大原企画第二係長)

(1) 難民事業本部の活動説明等 (2) 難民に関する基礎知識 (3) 事務所見学

2. 認定NPO法人難民を助ける会(説明:堀越プロジェクトマネージャー)

(1)スーダン難民支援 (2)難民を助ける会の活動 (3)私たちにできること (4)質疑応答 (5)事務所見学

3. 特定非営利活動法人難民支援協会(説明:鹿島職員)

(1) 事務所見学 (2) 難民とは (3) 日本における難民認定手続 (4) 日本における難民の状況 (5) 質疑応答

4. 国連児童基金(UNICEF)(説明:岡パートナーシップ構築調整官)

(1) UNICEFとは (2) UNICEFの使命 (3) ミレニアム開発目標 (4) 世界の子どもの状況 (5) UNICEF中期事業計画 (6) レバノンのパレスチナ難民支援 (7) チャドのスーダン難民支援 (8) UNICEFの資金 (9) 東京事務所の役割 (10)質疑応答 (11)事務所見学

5. 法務省入国管理局難民認定室(説明:福永庇護係長)

(1) 入国管理局の業務 (2) 難民について (3) 難民行政の推移 (4) 難民認定制度 (5) これまでの条約難民の受入状況 (6) 質疑応答

6.難民事業本部本部事務所

(1) 難民の体験談 (2) 質疑応答

参加者からの感想(一部)

難民を助ける会 難民支援協会 国連児童基金(UNICEF)
  • 実際の現場の話が聞けて良かった。
  • NGOの仕事のすばらしさをあらためて感じられた。
  • 大学のゼミで活動内容などを勉強していたので、実際に自分の目で見ることができて良かった。
  • NGO団体の考えなどが飾りけなく、直接、伝わってきた。
  • 日本での支援は、国内でもなかなか気づかない点で、普段の生活では、知ることのできないことを知ることができた。
  • 難民の受け入れ、日本の現状、世界の国の支援状況について理解でき、勉強になった。
  • UNICEFや連携団体についてさらに勉強していきたいと思った。
  • 政策レベルでの対応、日本の現場が見学できたことは、大変貴重な体験だった。
  • このツアーでなければ行くことができなかったので、これを機にUNハウスにも遊びに行こうと思った。
法務省入国管理局難民認定室 難民事業本部本部事務所  
  • なかなか入れない場所、会えない方に会うことができ、直接話を聞けたことで印象に残る体験となった。
  • 難民問題をさまざまな角度から考える機会となった。
  • 今まで違った立場から難民問題を考えてきたので、政府側の意見はとても新鮮でいろいろと考えさせられた。
  • 難民の体験談は、リアルな話が聞けて世界がまた広がった。
  • 今まで難民について勉強してきたことは、海外にいる難民を主に重視してきたので、日本にいる難民の実情や支援の様子を教えてもらったので非常に良かった。
  • 少人数で事業を実施しているバイタリティに驚いた。
 

第4回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー

第4回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー

セミナー風景
2007年8月9日、10日に兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、JICA兵庫、神戸YMCA、PHD協会と難民事業本部関西支部の共催による教員向けの「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」をJICA兵庫で開催しました。両日とも約100人の参加者があり難民・環境・平和など各分野のワークショップ手法を体験してもらいました。 初日はシャンティ国際ボランティア会(SVA)の秦専務理事による基調講演から始まり、日本のNGOの特徴、SVAの設立経緯や国際協力現場での経験などを1時間半にわたりお話いただきました。SVA設立のきっかけとなったカンボジア難民の救済活動の一つとして、日本の絵本を翻訳し難民キャンプに住む子どもに貸し出す移動図書館の取り組みも紹介され、実際に配った絵本が参加者に回覧されました。絵本の中には文章が消えるほどボロボロになっていたものもあり、子どもたちが何度も繰り返し読んでいた様子がうかがえ、参加者たちは興味深そうに手に取っていました。 各分野の分科会では、生徒が自分自身で考えるワークショップの手法を基本としたセミナーが実施されました。関西支部が担当した難民に関する分科会では、まず、難民の定義や発生する原因を詳しく説明しました。また、もし自分たちが難民となったなら何を持っていくかを考えてもらうワークショップや、難民キャンプでの食料配給量を予想してもらいました。配給量についてはお米の量を見積もってもらったのですが、全員のグループが100g以下でした。難民も私たち同様に1日約2000kcal摂取できるよう主食は400g配給されています。先生方は生徒に難民について教える前に、自分たちが「難民は飢えている」というステレオタイプを持っていることに気付かされたようでした。今回、参加者の多くが難民問題に関わることが初めてであったため、資料やワークブックを提供しました。難民問題についての出版物を紹介し、パネル・ビデオの貸し出しや出前講座を関西支部で行っている旨の説明をしたところ、参考文献のメモをとる参加者が多く、今後、積極的に難民問題に関するワークショップを学校でも取り入れたいと考えているようでした。 今回で4回目となる教員向けセミナーでは、難民問題を含む、平和教育、多文化共生や環境問題など、学校でどのようにワークショップを実践するかを先生方に考えていただく良い機会になりました。振り返りの時間では「早速、今回のワークショップを取り入れた授業を行いたい」との感想もあり、難民事業本部では、難民についてのワークショップの実践を希望する学校のサポートを今後行っていきたいと考えています。