ワークショップ難民2007年度

ワークショップ難民2007年度

難民事業本部では、2008年2月24日(日)に本部事務所会議室にて、「ワークショップ難民2007年度」を前半・後半の二部構成で開催しました。
前半の「難民とは?」では、難民の定義や難民が発生する原因、状況についてシミュレーションを通して考えました。まずは基礎的な知識を学ぶため、○×クイズを行った後、難民条約に基づく難民の定義を解説しました。グループワーク「難民は世界のどこに住んでいるのか」ではグループで相談しながら世界地図にシールを貼り、続いて「難民になる」では、ある日戦争が始まり限られた時間で限られた荷物を持って逃げ出さなければならないという場面設定で、何を持ち、何を置いていくかを話し合って決めました。実際に人々が逃げてきた世界の難民キャンプの解説を挟み、前半最後のワークは「難民すごろく」で締めくくりました。このすごろくでは難民となった場合に強いられる移動を疑似体験することで、その苦労をゲームを通して感じてもらうことができたようです。 後半の「難民とともに暮らす」では、難民定住者を講師に迎え体験談を交えて「共生」をテーマに考えていきました。まず、ロールプレイワーク「あおい荘」では、ベトナム難民定住者が住むアパートで文化の違いなどにより起きたトラブルについて、グループごとに問題解決の話し合いの場を設けました。グループのメンバーがそれぞれ難民定住者、通訳、大家、日本人入居者の役になりきり、言葉や文化、価値観が異なる人々との共生について、ロールプレイを通して体験しました。「コミュニケーションが成り立たないと、誤解や不安が大きくなることを再認識した」、「話し合いから知識を得ることによって意見も変わり得ると思った」、「互いの文化背景を知ることが大切だと思った」、「役に感情移入してしまった」などのコメントが寄せられました。このワークに続いた講師の体験談では、講師の母国についての話から、難民として日本に到着した後の、難民定住者としての日本での生活、日本で生活する上で直面した数々の問題、そしてそれらの問題をどのように乗り越えてきたかという話に至るまで、臨場感をもって熱く語られました。参加者の心は強く惹きつけられ、「実体験の重みを感じた」、「ますます難民について関心を持った」、「ご本人の話を聞けたことは非常に貴重な機会となった」など大きな反響を呼びました。

コミュニティー団体代表との懇談会

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コミュニティー団体代表との懇談会

2008年2月17日(日)、難民事業本部にてインドシナ難民および条約難民のコミュニティー団体代表者との懇談会を開催しました。懇談会にはインドシナ難民のコミュニティーより6団体9人、条約難民のコミュニティーより5団体13人の参加がありました。懇談会ではまず難民事業本部が支援している教育訓練援助金について説明しました。 その後難民事業本部のコミュニティー活動支援について、コミュニティー団体による行事の実施や機関誌発行の助成への申請方法などの説明を行った後、各団体の代表者の方々からの質問に答えたり、ご意見をいただくことができ、今後の参考にさせていただくことができました。また懇談会後の会場にて、難民相談員がコミュニティーの年度計画表の作成などの支援を行ったり、行事や機関誌等の具体的な内容や申請時期等についての相談を受けました。
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ヨルダン調査報告会−ヨルダンにおけるイラク難民の状況−

ヨルダン調査報告会−ヨルダンにおけるイラク難民の状況−

2008年2月8日(金)、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームと共催で、難民事業本部が2007年12月に実施したヨルダンにおけるイラク難民状況調査の報告会を国連大学エリザベス・ローズ・ホールで開催しました。 旧フセイン政権崩壊後の政情不安を背景に周辺諸国へ流入したイラク難民の総数は約240万人で、このうち約45万人から約50万人がヨルダンに滞在しているといわれています。ヨルダンにおけるイラク難民の特徴は都市滞留型で従来の難民キャンプに暮らす難民とは性質が異なること、同難民の滞在が長期化していること、日本のNGOも同難民の支援活動を行っていること、イラク難民支援には難民帰還後のイラク再建を視野に入れ、キャパシティー・ビルディングなど、中・長期的コミットメントを要する継続的な支援が必要であることなどが報告されました。 当日は政府関係者、NGO関係者、学生等、約80人の参加があり、参加者は調査団員のヨルダンのイラク難民の状況についての報告に熱心に聞き入っていました。