RHQ支援センター第7期生の修了式を行いました

RHQ支援センター第7期生の修了式を行いました
2009年9月30日(水)、RHQ支援センター第7期生(平成21年度前期)16名の修了式を行いました。第7期生は、4月6日から毎日6時間約6ヵ月間にわたり合計572時限の日本語教育及び120時限の生活ガイダンスを修了し、晴れて旅立ちの日を迎えることが出来、みな達成感と安堵感に満ちた表情で修了証書を受け取りました。 内閣、外務省、厚生労働省、新宿区から来賓にご列席いただき、祝辞を頂戴しました。 退所後の進路は、就労する者、センター職業相談員の紹介により職場適応訓練を受講し技術の習得に励む者、日本語学校に入学し大学進学を目指す者など様々ですが、どの受講生もセンターでの勉強により日本の人々の間で生きていく自信がついたと述べており、それぞれが持つ力を最大限発揮して暮らしていってほしいと思います。

「スタディツアー2009」開催報告

「スタディツアー2009」開催報告

2009年9月15日(火)・27日(日)の2日間にわたり、難民事業本部は「スタディツアー2009」を開催し、実際に日本に暮らす難民の方々の様子を知ることを目的として、インドシナ難民定住者が働く職場と条約難民(ミャンマー難民)定住者のコミュニティー活動の現場を訪問しました。今回のツアーには、難民問題に対する関心が高いマスコミ関係者を始め、学生、社会人、NGO職員など17人が参加しました。 ツアー1日目は、難民事業本部でオリエンテーションを終えた後、現在11人のベトナム難民定住者が働く株式会社勝製作所(横浜市)を訪問しました。事業所の方のお話からは、難民を雇用する上で言葉の壁や文化の違いなどを克服するため、試行錯誤を続けてきた様子がうかがえました。待遇や技術指導面で日本人従業員と区別しないという方針が高い定着率につながっていると思われます。実際に難民の方が作業を行っている工場の見学では、機械の音が鳴り響き、蒸気や火花が飛び散る中で、参加者は現場の空気を肌で感じることができたようです。難民受入れの成功の鍵は、こうした企業の理解を得ることだと改めて認識させられました。 2日目はミャンマーコミュニティーの活動現場を2カ所訪問しました。最初に訪れたカレン民族母語教室・文化継承では母語教室を見学しました。ミャンマーでは1948年に始まり現在も続いている国内戦争以降、カレン語が禁止されているため、子どもたちの世代はカレン語の読み書きができないのだそうです。このような状況を受け、同コミュニティー活動は、日本に住むカレン人が集まって、危機に瀕している母語・母文化を継承する目的で2004年に開始されました。ツアー参加者の中にはカレン民族、カレン語の存在を初めて知る方もいたようですが、こうした言語継承の大切さと支援の重要性を感じていたようです。 そして、ツアー最後の訪問先はモータウチェ図書館です。マンションの一室に所狭しと並ぶ約5,000冊の蔵書の中には、祖国では既に手に入らない物も少なくないそうです。個人レベルで膨大な図書を維持していくための費用、労力に驚きながらも、「命をかけて本を守っている」という言葉がツアー参加者の心に深く響いたようでした。 ツアー終了後、実際に日本に住む難民がどんなところで働き、どのように生活しているかを自分の耳で聞き、目で見ることは大変貴重な経験となったとの声が多数寄せられました。また、今回のツアーにはマスコミ関係者数名の参加がありましたが、日本政府が来年から「第三国定住プログラム」により、タイの難民キャンプからミャンマー難民を年間30人3年にわたり受け入れることから、難民問題への注目が高まっているのかもしれません。

難民定住者の働く現場を見学 (株式会社 勝製作所にて)

生活ガイダンスの防災館見学

生活ガイダンスの防災館見学
RHQ支援センター第7期生は、定住支援プログラムの一環で都内の防災館を訪れ、地震、火事、救急時の対応について学習しました。地震が体験できるコーナーで、関東大震災を再現した揺れを体感した入所者は、テーブルの下に避難した際には、頭をぶつけないよう注意すること、床ではなくテーブルの脚をつかむことなどを学びました。また、実際の地震に備え、小さな地震の時でもテーブルの下に隠れるようにし、体に覚えさせることが大切とのアドバイスを受けました。 煙体験コーナーでは、煙に巻かれた時は、姿勢を低くし、壁づたいに出口を見つける、ハンカチやタオルで鼻と口を覆う(ティッシュは使わない)など安全に避難するポイントを学びました。 消火体験コーナーでは消火器の使い方を練習しました。入所者は4月の入所直後に一度訓練を受けていますが、ここでは実際の火災を疑似体験できるスクリーンを前に、下のレバーを握り、ピンを抜き、ホースの先をしっかり握り、最後まで消火液を出し切るという基本の動作を復習し、再確認することができました。また、目安として火が天井に届く前はできるだけ消火に努めるが、天井まで火が回ったら速やかに避難する、という避難のタイミングも学習しました。 今回の訪問が防災意識を高めるきっかけとなり、火事を出して近隣に迷惑がかからないように日々心がけることや、災害に見舞われた時は近隣住民と協力し合い被害が広がらないように努めることの重要性を認識することができました。