日本の仕事見学 〜職業人としての心構え〜

日本の仕事見学 〜職業人としての心構え〜
 2011年6月24日(金)、RHQ支援センター第11期生半年コース12名は、生活ガイダンス授業の一環で日本の仕事の職場を見学するため、神奈川県川崎市の日本理化学工業株式会社を訪問しました。
この会社は、ホタテ貝殻を再生活用した環境にやさしいチョークを製造している会社で、50年間にわたり毎年のように障害者を積極的に雇用するなど、その経営の姿勢は社会に広く評価されています。 同社の工場ではノーマライゼーションの実現のため、障害の程度に拘わらず仕事ができるよう様々な工夫がされています。例えば、字が読めない人でも支障なく働けるよう、予め色分けされたバケツに材料を移し替え、文字ではなく色で材料を判別できるようにしてあります。これらの工夫は知的障害者だけでなく、日本語に不慣れな外国人従業員にとっても大変有効なものと思われました。 見学後の質疑応答では、大山隆久社長から同社が社員を採用する基準について説明がありました。それは、 ①身の回りの事が自分で出来る。 ②わかった、わからないときちんと意思表示が出来る。 ③一生懸命働く。 ④周りの人に迷惑をかけない。 の4点です。 また、職場のモットーとして、「ほうれんそう(報告、連絡、相談)と6S(整理、整頓、清潔、清掃、躾、安全−セーフティ−)」を心がけることが事故のない安全な職場環境を作り、結果的に品質の向上につながるとの説明を受けました。 今回見学に参加した入所者からは、「経営者が求めている理想の社員がどんなものか知ることができた。」「こんなに社員のことを考えてくれている会社で働いてみたい。」などの感想があり、日本での就労について知識が増えたようです。 ※ノーマライゼーション 障害者や高齢者など社会的に不利を受けやすい人々(弱者)が社会の中で他の人々と同じように生活し、活動することが社会の本来あるべき姿であるという考え方。

第三国定住難民子どもたちの活躍

第三国定住難民子どもたちの活躍

2010年に来日した第三国定住難民第一陣の子どもたちのうち、中学3年生の3名が定住先の中学校を卒業し、全員が高校に進学しました。これまでも中学校卒業後に定時制高校に進学した者が2名いましたが、今回進学した者3名の内2名は、第三国定住難民として初めて全日制高校への進学を果たしました。さらに入学後に行われた定期試験の総合得点で学年10位の成績を修める生徒もおり、定住先の関係者からは「5年間苦労したこともいろいろあったけれどたくましく成長している子どもたちの姿は感無量だ」と歓びと期待の声が上がっています。 また、去る5月に行われた伊勢志摩サミットに関連して同月14日(土)に開催された三重県教育委員会主催の「子どもふるさとサミット」に第一陣の中学2年の男子生徒1名が市の代表の一人として出席しました。この生徒は「他国とのつながり」に関する分科会に参加し「他国の人と仲良くするためには自分から勇気をもって話しかけ、行動することが大事」というスピーチを行い、多くの人の共感を得、また地元のテレビ局のインタビューを受けた様子も放映されました。 子どもたちのこれらの活躍は本人の努力の賜物ですが、同時に、定住先において難民に関わる方々が温かな援助を継続してくださっているからこそであると考えています。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。