「第12回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました

「第12回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました

毎年夏に開催している「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を、今年も2015年8月4日(火)、5日(水)の2日間、JICA関西において開催し、2日間で延べ約140名の方々に参加いただきました。 このセミナーは、平和、貧困、開発、人権、環境、難民などの地球的課題について学校の授業で取り上げてもらうために、教員を主な対象として、教育委員会(兵庫県、神戸市)と、国際協力団体であるJICA関西、(公財)神戸YMCA、(公財)PHD協会と難民事業本部の6団体が2004年から毎年共催しているものです。 同志社女子大学の藤原孝章教授による基調講演では、国際理解教育・異文化理解教育・開発教育の海外での歴史と日本での発展について、参考文献の紹介を交えながら詳しく解説していただきました。これからの国際理解教育・開発教育は、競争ではなく、共生・連帯をめざした、普遍的な視点と個人的な視点を併せもつ人間の育成が課題であるとのご指摘を頂き、その後、カード教材「ちがいのちがい」を体験し、様々な視点から話し合うことで生まれる気づきを体験しました。 9つの分科会では、現職の教員、NGO職員、青年海外協力隊OB、専門家らがファシリテーターを務め、授業のヒントとなるような手法や教材を実践形式で紹介しました。 難民事業本部は、「日本に暮らす難民」と題したワークショップを行い、24名の方に参加いただきました。小さなボートに乗って逃げる体験や、もし自分が難民となり別の国で暮らすことになったら、どんなことに困るかについてグループで話し合ってもらい、日本に暮らす難民が実際に困っていることを、難民事業本部作成の難民理解のためのワークブック「なんみん故郷をはなれて」を使って紹介しました。 参加者からは、「自分が難民となって困ることと、実際に難民が困っていることがあまり変わらなかった」、「自分では想像できない苦労があることが分かった」、「もっと大変な経験をしていると思うので、どのような苦労を体験したのか詳しく知りたい」などの意見が出されました。 難民事業本部では、教育現場で難民について考えていただけるよう、これからも教員や学校関係者の方々と連携していきたいと考えています。

RHQ支援センター第21期生(前期半年コース)国会議事堂、区立図書館を訪問しました

RHQ支援センター第21期生(前期半年コース) 国会議事堂、区立図書館を訪問しました

RHQ支援センター第21期生(前期半年コース)6名は、生活ガイダンス授業の一環として、日本の政治制度と公共サービスについて戸外学習を行いました。 入所者は国会議事堂の見学に備え、事前に日本の民主政治・選挙についての授業を行い、日本の政治制度における内閣と国会の役割や、衆議院と参議院の違いなどについて学習しました。 2015年8月3日(月)国会議事堂を訪問し、衆議院を見学しました。入所者たちは国会議事堂職員の案内に従い、衆議院玄関から御休所(ごきゅうしょ)、中央玄関、本会議場などを順に回りました。御休所(ごきゅうしょ)を見学した際には、「天皇陛下と他の皇族方の部屋に違いがありますか。」など通訳を介して質問し、理解を深めました。最後に見学した議会政治の基礎を作るために功労のあった板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像の前では、最近の戸外学習で早稲田大学について学習したこともあり、「大隈重信は早稲田大学の創立者ですか。」「他の人についても詳しく知りたい。」など、積極的に質問がなされました。入所者の中には、「もう一度来て、もっと勉強したいです。」などの感想を述べた人もいました。 2015年8月5日(水)区立図書館を訪問し、身近な公共サービスと利用法について学びました。館内に入る前に、入所者達は図書カードの作り方や本の予約システムなどの利用の仕方と、館内で大きな声を出してはいけない、場所取りをしてはいけない、飲食をしてはいけないなどのルールの説明を受けました。その後館内に移動し、書物の分類や場所を確認した後、各々興味のある本を手に取っていました。夏目漱石などの日本文学の本を沢山借りた入所者もいました。展示コーナーでは、原爆の日を前に広島と長崎の写真が展示されており、初めて写真を目にした入所者からは「戦争は怖いですね。写真を見るのもつらいです。」などの声が聞かれました。