第三国定住難民第5陣が日本語教室で交流会を行いました

第三国定住難民第5陣が日本語教室で交流会を行いました

2016年3月20日(日)千葉市の稲浜公民館にて、第三国定住難民第5陣のための日本語学習支援教室の終了に伴い、交流会が行われました。 最終回ということで、来賓の方にも来ていただき、千葉市定住の難民5家族22名(含保育児童)が出席しました。日本語指導者、保育スタッフ、RHQ職員が参加し、にぎやかな会となりました。来賓の方のご挨拶、出席者全員の自己紹介の後、参加者皆でジェスチャーから動詞を当てる、カードに示された言葉の対義語を当てる、質問の答えを紙に書く等、 日本語を使ったゲームを楽しみました。難民の参加者は教室での学習成果を発揮し、活発に回答し、わからない単語があると日本人参加者に聞くなどして積極的に参加している様子がうかがえました。また、教室の感想として「1年間楽しく学習できた」「日本語を話すことに自信がついた」「生活でわからないことを教えてもらった」「これからも日本語でたくさん話がしたい」などの声がありました。 教室の指導者からは、「学習支援教室としては、難民が学習したい時に来られる場所という形で対応できたと思う」、「この教室を通じて日本語力が上がったことが分かって良かった」「自信を持って日本語を使って生活していってもらいたい」という感想がありました。 今後は多様なニーズにきめ細かく対応し、各人に応じた学習機会を提供することを大切にして引き続き日本語学習支援を進めていきたいと思います。
 

第三国定住第6陣 定住地での生活を開始

第三国定住第6陣 定住地での生活を開始

2016年3月18日、第6陣6世帯19名は東京都内の宿泊施設から定住地の千葉市に転居しました。転居後には各世帯の住居に購入した家電や家具も揃い、徐々に新しい生活を始める準備が整い始めました。 大人達は、4月から開始する就労先での職場適応訓練に入るため、通勤用の自転車を購入したり、電車通勤のための乗り換えの練習をしたり、準備を重ね、予定通り訓練を開始しました。小学生はそれぞれ小学校に編入学、新入学を済ませ、期待に胸をふくらませながら元気に通学しています。保育所に入所した児童はそれぞれに新しい友達が出来、毎日保育所に通うのを楽しみにしています。 こうして定住地で新生活を開始した6家族に、同地の安達自治会長が各部屋を訪ね、生活の準備の進み具合を確認するとともに、一人ひとりに温かい歓迎の言葉と励ましの言葉をかけてくれました。 また、竹内老人会長が、同会が実施している地域の様々な活動に6家族を招待いただく提案をして下さり、早速5月のカラオケ交流への参加を約束しました。6家族は早くも地域の一員として迎えていただいたことに安心した様子でした。 難民事業本部は、今後第6陣に対して、地域支援員による支援や地域での継続的な日本語学習支援を実施していくこととしています。
 

「神戸国際交流フェア2016」にて活動紹介ブースを出展しました

「神戸国際交流フェア2016」にて活動紹介ブースを出展しました

2016年3月13日(日)、神戸ハーバーランド・スペースシアターにて開催された「神戸国際交流フェア2016」にて、活動紹介ブースを出展しました。 このイベントは、阪神・淡路大震災からの復興を祈念して1997年より毎年3月に開催されているもので、今回で20回目を迎えます。参加団体の活動紹介展示・販売ブースのほか、ステージパフォーマンス、世界の料理、民族衣装の体験コーナーやゲーム、お楽しみ抽選会など、異なる文化や伝統に触れることができるプログラムが実施され、多くの来場者で賑わいました。 難民事業本部の活動紹介ブースでは、日本にいるインドシナ難民、条約難民、第三国定住難民の紹介、日本にいる難民に関するクイズの出題、世界難民地図と難民事業本部リーフレットの配布を行い、約190名の方にお越しいただきました。 このイベントを通して、日本にも難民がいるということを、たくさんの方に知っていただくことができました。今後も、難民についての理解がより一層深まるよう、広報活動を行ってまいります。

RHQ支援センター第21期生・第22期生・第23期生が修了しました

RHQ支援センター第21期生・第22期生・第23期生が修了しました

第三国定住難民コース第22期生(第三国定住難民第6陣)6世帯19名は2016年3月8日(火)に学習発表会を開催し、昨年10月から約半年間の学習成果を発表しました。11日(金)には修了式を迎え、18日には居住地に転居し、定住生活を開始しました。 第22期生は、昨年9月下旬にマレーシアから来日したミャンマー難民6家族です。10月に開講してから定住支援プログラムの期間中、学習面でも私生活の面でもそれぞれの家族が協力し合いながら生活してきました。毎日センターで勉強しながら、大人は並行して仕事や住まい探しを行い、子供は近隣の小学校で学校生活に慣れるため体験入学をして日本での定住生活の準備を進めてきました。 学習発表会では、それまでに学んだ日本語でオリジナルの詩を朗読したり、歌を唄ったり、自分たちでシナリオを考えた寸劇を披露したりと、参観した政府や地元関係者が驚くほど趣向を凝らした発表を行いました。大人クラスの日本語劇の最後のオチでは「みんなで一緒に日本に行こう!」と言って、全員が一列に繋がって日本を目指すシーンで、平和な日本を目指してマレーシアを出国してきた彼らの決断を思い、関係者の目頭を熱くさせるものがありました。 修了式では、全員自分の言葉で将来やりたいことや夢をスピーチし、その中には、子供を医者にしたい、レストランを開きたい、会社を興して社長になりたいなど、夢を抱いて日本を目指してきたことがうかがえるものもありました。
第21期生(条約難民夜間通年コース)1世帯1名及び第23期生(条約難民後期半年コース)2世帯4名は3月17日(木)に合同の学習発表会を開催し、23日(水)には合同の修了式を迎えました。 条約難民夜間通年コースの参加者1名はアジア出身者で、昼間仕事をしてから夜間勉強する大変なコースにもかかわらず、1年間の長い期間1日も休まず通い続け、見事皆勤賞を受賞しました。条約難民後期半年コースには中東とアフリカ出身の家族が参加していました。全員が真面目に日本語や社会制度などを勉強し、日本社会で生きていくための基礎的な力をつけました。発表会では、落語の小話を発表して参観者を笑わせたり、生きるをテーマに原稿を見ずに10分以上のスピーチをした人もいました。センター修了後の進路は、仕事に就いたり、日本語学習を続けたりとそれぞれに合った自立定住の道を歩み始めることとなりました。

スタディーツアー2016を開催しました

スタディーツアー2016を開催しました

難民事業本部で定期的に開催しているスタディーツアーでは、国際機関、日本語支援団体、難民を雇用している事業主といった難民支援団体の御協力のもと、各団体を訪問し、日本における難民支援に関わる現場の方々の話を伺っています。今回は、3月4日(金)、8日(火)の2日間にわたり開催し、学生、社会人の22名の方にご参加をいただきました。 1日目はまず難民事業本部事務所にてオリエーテンションを開き、インドシナ難民・条約難民・第三国定住難民に関する日本における難民の受け入れの歴史や日本における難民支援を知ってもらいました。また、日本に定住している難民に参加していただき、聞いてみたいことを直接投げかけてもらいました。 次の訪問先の国際移住機関(IOM)では、IOMが難民支援に関してどのようにかかわっているかや移住と移民について詳しくご説明いただき、IOMの幅広い活動を知ることができました。 1日目最後に訪問した公益社団法人国際日本語普及協会(AJALT)では、現場で活躍している講師の方々から直接話を伺うことができました。日本語を覚えるだけではなく、自分で伝えること、日本人とのコミュニケーション力を身に付けることが、日本に定住していく上で重要であり、これからずっと続く長い日本での生活において、生活者としての生きた日本語教育をしていると教えてくださいました。 2日目は、RHQ支援センターを訪問し、第三国定住難民による学習発表会を見学しました。学習発表会は、これまでの日本語学習の成果を発表する場です。学習発表会では、大人コースの方たちによる自分の夢についてのスピーチや朗読、子供コースの皆さんによる歌や寸劇が披露されました。自分の夢についてのスピーチでは、自分のことだけでなく、家族や周りの人たちを想う気持ちなども披露され、大変温かい発表会となりました。 次の訪問先のファーストリテイリング社は、CSR活動やさまざまな社会課題に対して服を通してできることをテーマに社会貢献を行っています。難民支援については、ユニクロの商品のリユース・リサイクルを行い難民キャンプに送る「全商品リサイクル活動」などの説明を受けました。また、同社では難民の雇用もしており、難民は様々な店舗で他の従業員の方と同じく商品の陳列や管理、縫製などを担当しています。難民に対する研修制度や社員制度などについてもご説明いただきました。 最後に訪問した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)では、難民保護活動について、政府、NGOなど関係団体とどのようにつながり、日本において難民支援事業がどのように行われているか詳しくご説明いただきました。UNHCR訪問は、難民支援の難しさや日本における難民の自立を目指した解決策について参加者と一緒に考える機会にもなりました。 今回のスタディーツアー参加者からは、難民を身近に感じることが出来たという声が多く聞かれました。日本は難民を受け入れていないと思っている方もいましたが、日本でも難民を受け入れていることを知り、様々な団体が関わっていることを実感していただけたと考えています。 参加者同士で難民支援に関わるボランティア、ネットワークを繋げていっていただくことを期待しつつ、難民事業本部としては、これからも日本の難民の受入れを知っていただき、支援の裾野を広げるよう努めていきたいと考えています。 ≪行程≫ 1日目:難民事業本部、国際移住機関(IOM)、 公益社団法人国際日本語普及協会(AJALT) 2日目:RHQ支援センター、ファーストリテイリング社、 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)