平成28年度文化庁日本語教育大会で難民を対象とする日本語教育について紹介しました

平成28年度文化庁日本語教育大会で難民を対象とする日本語教育について紹介しました

平成28年度の文化庁日本語教育大会は、「All Japanで考えよう!外国人施策から見えてくる日本語教育人材の専門性」をテーマとして、2016年8月27日―28日まで東京で開催されました(大阪で10月にも開催予定)。少子高齢化に伴って展開されている外国人の受け入れ、活用等の施策に関連する分野における日本語教育職の専門性と多様性について考察するものでした。その一環として、2日目には、「日本語教育人材のキャリアパス〜現場で活躍する先輩に直接きいてみよう!」という、小グループでのセッションが行われ、RHQ支援センターの日本語教育相談員が講師をつとめました。 全3回のセッションでは、定住する外国人を対象とする日本語教育の一つとして、難民を対象とするRHQの日本語教育事業や日本語教育相談業務の説明、また相談員のキャリアパスについて紹介しました。子供が日本の学校教育制度にスムーズに入り、進学していくために日本語教育相談員が果たす役割(相談、支援、教育関係者との連携づくり等)に関する質問が多く、学校、教育委員会、また地域社会とのつながりを作ることが重要であることが理解されたようでした。また、RHQが開発した希少言語の翻訳つきの教材への関心が高く、多言語の日本語学習教材があまり知られていないことが伺われました。 難民のための定住支援プログラムにおける日本語教育相談員という職業分野が知られ、理解されていく必要を感じました。
 

「第13回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました

「第13回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました

毎年夏に開催している「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を、今年も2016年8月8日、9日の2日間、JICA関西にて開催し、2日間で延べ約180名の方々に参加いただきました。 このセミナーは、平和、貧困、開発、人権、環境、難民などの地球的課題について学校の授業で取り上げてもらうために、教員を主な対象として、教育委員会(兵庫県、神戸市)と、国際協力団体であるJICA関西、(公財)神戸YMCA、(公財)PHD協会、難民事業本部の6団体が2004年から毎年共催しているものです。 基調講演では、上智大学総合人間科学部教育学科教授・田中治彦さんより「SDGs−国連持続可能な開発目標」と題し、貧困・格差、疾病、ジェンダー、地球温暖化など、先進国と途上国に共通する地球的課題についてどのように取り組んだらよいのか、講義を通して学びました。また、ワークショップでは参加者それぞれがグループ内で意見を出し合い、先にあげた貧困・格差等の慢性的危機に対して、それぞれの分野での持続可能な開発目標を考えました。さらに、開発目標に向けて先進国がどのような課題に取り組む必要があるか考えました。 また、9つの分科会では、現職の教員、NGO職員、協力隊OV、専門家らがファシリテーターを務め、授業のヒントとなるように参加型学習の実践を紹介しました。 難民事業本部は、「難民になるということ」と題した分科会を担当し、どのような人を難民と呼ぶのか、もし自分が難民になったら何を持って逃げるのか、難民キャンプでの食事の量など生活はどのようなものなのか、難民が抱える問題についてシミュレーションを通して考えました。教員や学生も含め38名の方々に参加いただき、難民問題について関心を持っていただくよい機会となりました。 参加者から授業で難民を取り上げてみたいという声も聞かれ、難民問題から多文化共生や貧困、平和など関連領域の展開例をご提案したり、難民理解に役立つ冊子や地図などの教材についてもご紹介したりしました。 難民事業本部では、これからも教育現場で難民について考えていただけるよう、教員の皆様と連携してまいります。

RHQ支援センター第24期生(前期半年コース)国会議事堂を見学しました

RHQ支援センター第24期生(前期半年コース) 国会議事堂を見学しました

2016年8月1日(月)、RHQ支援センター第24期生(前期半年コース)は、生活ガイダンスの一環として、日本の民主政治・選挙について学習し、併せて国会議事堂の見学を行いました。座学では、日本国憲法に基づく日本の政治制度について、国会と内閣が果たす役割や衆議院と参議院、三権分立制などを学びました。日本の政党や選挙活動、母国との違いなど様々な意見が出るなど入所者の関心は大変高く、前日の7月31日に行われた東京都知事選挙の影響もあり、日本の政治に興味を持った様子でした。 国会議事堂では衆議院を見学しました。この日は臨時国会が開催された初日にあたり、国会開会式に天皇陛下が御臨席されたこともあり、厳重な警備の中での見学となりました。議事堂前での記念撮影や衆議院本会議場、第五委員会室、第一委員会室などを見学しながら説明を受けました。本会議場付近では本会議が終わった直後に議員の方々が続々と退出する場面にも遭遇し、生の国会の緊迫した様子を肌で感じることが出来ました。第一委員会室では、特別に議長席に座ることが許され、入所者たちはお互いに記念撮影をし合っていました。 見学後、日本の政治を司る国会議事堂が持つ歴史の重みに触れた入所者からは、「日本の政治家を見ることができて貴重な機会だった。」「政治、選挙を学び、実際に国会も見学できてとても有意義だった。」という喜びの声が聞かれました。 日本の民主政治・選挙という難しいテーマの学習ですが、今までよく分からなかった日本の政治が理解できた、日本の民主的な仕組みが素晴らしい、などの感想が聞かれるなど、政治の重要性を再確認した取り組みとなりました。