第三国定住第5陣、第6陣、第7陣が地域の夏祭りで
ミャンマー舞踊と歌を披露しました
2017年7月29日(土)、第三国定住第5陣、第6陣、第7陣の定住先地千葉市の団地内で行われた夏祭りで、ミャンマー女性が中心となり、舞踊と歌を披露しました。
第5陣が同団地に定住した3年前の夏祭りから、夏祭りの会場で同団地の自治会長よりミャンマー人家族を紹介していただいてきましたが、今年第7陣が入居し、同団地に第5陣、第6陣と合わせて合計18家族が定住することとなったのを機に、夏祭り実行委員会の発案により、地元住民の方々にミャンマーのことをもっと知ってもらうことを目的として、今年のプログラムに正式にミャンマー舞踊を取り入れてアピールの機会を設けることが実現しました。
踊りのメンバー12名は1ヶ月前から毎週末、自治会長の御厚意で集会所を練習場所として提供していただき、合同練習を行ってきました。また、踊りにさらに磨きをかけるため、メンバー宅にも集まって特訓するなど、自分たちができる最良のものを地域の方々に観てもらおうと努力を重ねてきました。
夏祭り当日、ミャンマー舞踊のプログラムになると、和太鼓の音から一転して、独特の弦楽器の音色が響きわたり、民族衣装を身につけた踊りのメンバー12名が会場に現れ、大きな拍手で迎えられました。テンポのよい踊りが始まると、色とりどりの民族衣装と優雅な手の動きが目をひき、次第に周りを囲むように見物客が集まってきました。 さまざまな民族の踊りを再現した『ミャンマー8民族の踊り』に続き、『チン族の歌』、『モン族の歌と踊り』の披露の後は、ミャンマーで一番ポピュラーな『水かけ祭り(ダジャン)の踊り』です。「簡単な振り付けですのでみなさんも一緒に踊ってみてください」とアナウンスが入ると、子どもたちや大人の方々が一人また一人と踊りに加わり、いつの間にか大きな輪になっていきました。
ミャンマー舞踊の後は、やぐらの上での区長の挨拶に、踊りのメンバーもご一緒させていただき、区長から「夏祭りを通じて、ミャンマー家族をはじめとする外国人住民と日本人住民が互いの文化や風習を理解し、多様性をもった地域づくりにつなげていってほしい」との言葉をかけていただきました。踊りのメンバーも「自分たちの文化を紹介できたし、住民の方々とも仲良くなれた」と喜んでいました。
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水かけ祭りの踊り
(住民の方々と一緒に) |
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区長とやぐらの上で |
「ワークショップ難民2017」を開催しました(2017.6.14,6.28,7.11)
難民事業本部関西支部と神戸YMCAは難民問題を多くの方に知っていただくため、参加型セミナー「ワークショップ難民2017」(2017年6月14日、28日、7月11日の全3回)を開催しました。難民問題に関心のある高校生や学生、社会人など、延べ65名の方にご参加いただきました。
第1回のテーマは「難民とは」。難民とはどのような人なのか、クイズ形式で出題し、難民条約の中で定義されている難民について解説し、難民が発生する原因や状況について考えました。
第2回は「難民になる」をテーマに、家族構成や現在の状況、隣国の状況などそれぞれ異なる条件のもと、どのような状況なら国境を越えて逃げるのか、逃げた場合はどのような行く手が待っているのか、逃げない場合にはどんな理由があるか、実際に難民になったつもりで考えました。
第3回は「難民と暮らす」と題し、ロールプレイを通して当事者になりきって、言葉や文化の異なる国での生活を疑似体験し、難民と難民を受け入れる人々が直面する課題とその解決策について話し合いました。
全3回のワークショップを終えて、難民問題に関心を持つ人々の世代の広がりを強く感じられました。参加者からは、「より具体的に難民についての概念を知ることができた」、「これから何か小さな力になって、子供たちに協力したい」、「毎回とても楽しかった」、「自分が難民の立場になって考えることができた」、「国を出るかどうかはとても迷うことだと思った」、「ロールプレイを通して身近に感じることができ、事実だけではなく感情的にも理解を深められた」などの感想が寄せられました。
関西支部では今後も難民について考えていただけるよう、ワークショップやセミナーなど、難民理解のための様々な場を提供してまいります。
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RHQ支援センター第27期生(前期半年コース)が
七夕交流会に参加しました(2017.7.7)
2017年7月7日(金)、RHQ支援センター第27期生前期半年コース入所者は、生活ガイダンスの地域参加活動の一環で、町会が主催した七夕交流会に参加し、住民との文化交流を行いました。
はじめに、交流会に参加した地元関係者と一緒に、全員で短冊に願い事を書き、会場の真ん中に立てた笹に結びつけ、七夕の行事を体験しました。入所者の短冊には「にほんごがもっとじょうずになりますように」、「こどもといっしょにくらせますように」などの願いごとが日本語で書かれていました。
次に行われた交流では、入所者がそれぞれの自国文化を紹介しました。ある入所者は、自国の挨拶やお礼など、簡単な言葉と文字を紹介し、自国でよく飲まれているお茶とエスニック風サラダを用意して、参加者に味見をしてもらいました。また、他の地域出身の入所者は、速いテンポの母国の音楽に合わせて腰を振る民族ダンスを披露して、参加者と一緒に踊り、楽しい文化交流となりました。
日本文化の紹介では、入所者は浴衣を着付けてもらい、盆踊りを教えてもらいました。炭坑節の曲に合わせて、輪になり繰り返し踊って、振り付けを覚えました。浴衣姿で初めて踊る盆踊りに少し照れながらも、最後まで踊り通し、踊りのセンスを褒められた入所者もいました。
艶やかな浴衣を着た女性入所者は、「こんなに可愛い浴衣が着られて本当にうれしい」、「日本に来て初めて浴衣を着たが、自分じゃないみたい」と言いながら、お互いに記念写真を撮り合っていました。
踊りの後の懇談の席では、町会の方々とすっかりうち解け、日本の生活のこと、母国の習慣のこと、家族のことなどを日本語でおしゃべりしました。最後は参加者全員で「上を向いて歩こう」を合唱し、名残を惜しみながらお別れしました。
この地域交流を通じて、住民の方々と一緒になってひとつのことに取り組み、親しく話ができたことで、日本人との心の距離がずっと縮まったことと思います。
難民理解講座を大東文化大学・板橋キャンパスで行いました(2017.07.07)
7月7日(金)大東文化大学(東京都板橋区)にて、伊藤寛了企画第一係長を講師に、難民理解講座を2講義行いました。
1講義目は、「日本の難民受入れとこれからを考える」と題し、日本の難民受入れの歴史や難民事業本部が実施する定住支援プログラム等についてお話をし、学生約70名が受講しました。
2講義目は、「世界の難民危機とシリア難民」と題し、世界での難民発生概要や、欧州へのシリア難民の大量流入に対するEU・トルコの対応、及びトルコ国内での受入れ状況等についてお話をし、学生約80名が受講しました。
受講した学生からは、「映像を交えた講義で、難民問題をよりリアルに感じることができた。」「日本に暮らす難民が、日本語や生活習慣を学び、就労あっせんを受けて、自身の努力で自立して生活していることが分かった。」「もっと多くの人が難民について知る機会が増えればいいと思う。」といったコメントを頂きました。
難民事業本部(RHQ)は、難民問題や、日本での難民受入れと日本定住など、難民に関する様々なテーマで「難民理解講座」を行っております。授業や講演などをご希望される学校や団体は、HP「お問い合わせ」より、ぜひご連絡ください。
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「総合教育プログラム」生活ガイダンス「地域参加活動」の報告
〜大久保小学校の子どもたちとの交流から〜
「子どもたちは皆、日本に来たばかりなのに日本語でしっかりと話しました。私もがんばろうと思いました」
夏の陽ざしが感じられる7月1日(火)、RHQ支援センターの受講者たちは新宿区立大久保小学校を訪問し、日本の教育制度への理解を深め、また日本語国際学級の授業を参観しました。新宿区の国際性を反映して、大久保小学校では多くの「外国にルーツを持つ子どもたち」が学んでいます。今回、小学校側のご理解とご協力の下に、RHQ支援センター「総合教育プログラム」の生活ガイダンス「地域参加活動」講座として、この企画が実現しました。
当日は、校内施設を見学し、日本の学校教育制度やカリキュラムなどについて説明を受けました。受講者にとって、出身国とは異なる日本の学校教育制度について学ぶ、貴重な機会となりました。その次の授業参観では、歓迎のことばで飾られた部屋で、まず来日1年未満の同校の子どもたちが家族や自分、学校、新宿区について話してくれました。その後はグループに分かれ、受講者たちが工夫を凝らして自分たちの文化について習得中の日本語で紹介しました。見事な刺繍の民族衣装で現れる人、国の伝統の卵飾りをみんなに配る人、タナカという木から作った顔料で女の子に化粧を施す人、お互いの文字を教えあう人……。全員でお茶の葉のサラダに舌鼓を打ち、受講者の母国の踊りを踊るうちに時間は瞬く間に過ぎていきました。受講者は、小学生の出身国のことばと文化がふんだんにある日本語教室の様子を見て「学校でもそれぞれの生徒の出身国の習慣を大切にしてくれているのですね」と、これから日本の学校で学ぶ自分の子の将来を重ね合わせているようでした。別れ際には各国語で感謝のことばが飛び交いました。
「条約難民」と「子ども」……来日も帰国も、自分の意志だけではままならぬ状況で日本に住み、日本語を学ぶ者という共通の背景が、短い時間に両者の気持ちを近づけたのでしょうか、心のレベルの交流が少し実現できたと感じました。一方で来日4ヵ月の少女が、様々な国の人が共に生きていく「未来の町・新宿」の可能性について、習いたての日本語で語ってくれた姿には、この国の「未来」が二重写しにみえました。今回の交流では多言語多文化社会での「出会い」の原型を垣間見た思いがします。
「小学校の先生は忘れられないことばをいいました。『地球は一つだから、みな同じです』。みんな同じように、べんきょうしたり、あそんだり、話したりして大きくなります。私はその学校を忘れません(受講者の感想文より)」