第三国定住難民第8陣が来日(2017.9.26)

第三国定住難民第8陣が来日(2017.9.26)

2017年9月26日(火)、第三国定住制度による受入れで第8陣となるミャンマー難民8世帯29名が、一時滞在先のマレーシアから来日しました。 来日当初の半年間は、RHQ支援センターに入所し、日本語の学習と日本で生活する上で必要なことを学び、日本での生活が円滑に送れるようになるための準備期間となります。 センター入所者は、入国後から約10日間のオリエンテーションを受け、住民登録、国民健康保険の加入等の行政手続き及び健康診断を行ったほか、日本の生活に慣れるため、ゴミの分別、交通ルール、電車の利用、防犯等を学習しました。また、この間にRHQの職業相談員から日本の労働慣行、就労環境などについて説明を受け、これまでの職歴などについての聞き取り調査を受けました。そのほか、定住歴が長くコミュニティー支援の活動をしている先輩難民から、日本社会に定着するための心構えについて、自らの体験談を交えた講義を受け、今後の参考になる話を聞くことが出来ました。 10月5日(木)には、第三国定住難民コースと条約難民コースの合同開講式が開催され、来賓の関係省庁、国際機関、地元自治体等から祝辞をいただきました。祝辞では、「このプログラムで日本語をしっかりと身に付け、日本で新しい生活のスタートを切ってほしい」、「安全な日本で安心して、将来設計を考えてほしい」「母国でも一時滞在先でも苦労を経験したみなさんの諦めずに努力する力を信じている」など、励ましの言葉をかけていただきました。「半年後の修了式では日本語で話ができるように頑張って下さい」との呼びかけにも元気いっぱいの声で「はい」と力強く答え、政府や地元関係者に温かい言葉で迎えられたことに、安堵の表情を見せていました。 半年間の定住支援プログラム修了後は、住居、仕事、学校・保育所など自立生活に必要な準備を整え、定住地へ移転していく予定です。
 
先輩難民の体験談   就労意識調査

RHQ支援センター条約難民第27期生の学習発表会(2017.9.11)と修了式(2017.9.14)

RHQ支援センター条約難民第27期生の学習発表会(2017.9.11)と修了式(2017.9.14)

2017年9月11日(月)、条約難民第27期生(前期半年コース)6名が、学習発表会を開催し、関係省庁や自治体関係者からの参観者の前で、これまでの学習の成果を発表しました。発表は、それぞれ入所者が伝えたいことを題材にしたスピーチ、教室の様子を再現した日本語劇、『生きる』を題材にした詩の朗読と続き、参観した関係者に半年間で身に付けた日本語でのコミュニケーション力を披露しました。 日本語スピーチでは、大勢の観客を前にして、緊張した様子でしたが、自分が決めたテーマについて下調べし、写真を印刷して用意するなど、準備を重ねていました。テーマは、「センターで経験し学んだこと」、「自国の生活と文化」、「日本での今の生活」などで、全員が練習の時よりも大きな声ではっきりとスピーチすることができました。スピーチ後には、参観者から質問を受け、中には調べていないことを質問され、質問された意味がわからずに困ったりしましたが、自分が知っている限りの言葉を駆使して回答し、「すみません質問がわかりません」、「それはどんな意味ですか」と臨機応変に対応するなど、緊張の中での実践的な日本語のやり取りに、終わった後は全力を使い果たしたようでした。 日本語劇では、開講初日に出会ったクラスメイトの印象をユーモアを交えながら紹介しました。第一印象が怖かった人も、日が経つにつれて優しい人であると分かり、全員がほっとしたというエピソードもあり、リアルな演技が参観者の笑いを誘っていました。 詩の朗読は、谷川俊太郎の『生きる』を、入所者自身が考える『生きる』にアレンジして披露しました。『生きているということ、それは日本の文化がわかるということ、それは日本人がみんなやさしいということ、それは、母のことを思い出すということ、それは子どもにあえなくてさびしいということ、それはのりこえるということ』。それぞれの気持ちを詩にのせて淡々とした表情で自分の『生きる』を朗読する姿に、入所者の今の境遇が垣間見え、参観者の胸を打ちました。
2017年9月14日(木)、修了式が開催され、修了生6名が出席しました。関係省庁、国際機関、自治体、町会の来賓から修了生に向けてお祝いの言葉と励ましのメッセージが送られ、修了生からは答辞として、定住支援プログラムで学んだコミュニケーション力や文化・習慣の知識を生かして、これから日本社会で生活の基盤を作っていく決意が述べられました。 修了生のスピーチの中には、「以前は、飲食店の仕事でお客さんの名前を聞いてもローマ字でしかメモを取れなかったが、今はひらがなで書けるようになった」、「日本語が分からなかったので日本人の友達はいなかったが、今は日本語で話す友達が出来た」、「少しだが日本語の看板が読めるようになって便利になった」、「子どもの幼稚園の先生と話しが出来るようになって嬉しい」など、身に付けた日本語を活用して有意義な生活に結びつけたいという気持ちが述べられました。 定住支援プログラムで学んだことをこれからの仕事や生活で活かしてほしいと職員一同願っています。