定着指導・雇用促進協議会を実施しました(2017.11.16,17)

定着指導・雇用促進協議会を実施しました(2017.11.16,17)

2017年11月16日(木)、難民の方々の雇用状況を把握するため、兵庫県神戸市長田区の婦人皮靴製造業、株式会社ミードを訪問しました。陣野取締役代表に長田区の製靴業全般と雇用している難民の方のお話を伺うと共に、工場内を案内していただきました。 現在1名のベトナム人難民を正社員として雇用され4年目になります。雇用した当初は日本語が現在ほど上手ではなかったそうですが、頭脳明晰でかつ業務に必要な技術を有しており当初から活躍されていたそうです。勤務態度も非常に真面目なので皆勤手当も支給されているとのことです。現在では日本語能力も向上しておりコミュニケーションの問題もなく、大きな戦力だと伺いました。
11月17日(金)、八尾市役所西館にて難民等の雇用環境の充実を目的に、ハローワークをはじめ、企業や自治体など関係機関との情報交換等のため雇用促進協議会を開催しました。雇用事業主をはじめとして、職業安定機関、住宅供給機関、行政機関、支援団体から12名にご出席いただきました。
職業安定機関からは、大阪府の雇用状況は着実に改善されており、主要産業の新規求人状況は増加をたどる一方、新規求職者は減少し続けているとの報告がありました。特にものづくりが盛んな八尾市・東大阪市では製造業の求人が多いそうです。 住宅供給機関からは、雇用促進住宅の変遷についての説明や八尾市内の2棟における外国人の入居状況についての報告がありました。現在は民間企業となり入居に際しての条件が非常に緩和され、難民の方々も入居しやすい環境であるとのことでした。 行政機関からは、地域就労支援事業や無料職業紹介事業、多文化共生政策、地域コミュニティ支援、相談窓口の各行政機関担当者から報告があり、無料職業紹介事業では八尾市内の企業と求職者をマッチングする取り組みの紹介がありました。生活保護の状況については、インドシナ難民の保護家庭は母子家庭が多いのが特徴であるとの報告がありました。八尾市では多言語での相談業務の対応や情報誌発信を行っています。 雇用事業主からは、難民雇用のきっかけや就労状況についてお話いただきました。雇用難民に関しては、難民という概念ではなく一人の社員として日本人と同様に人物を評価しているとのお話が印象的でした。入社前や入社後の研修で、日本人労働者の意識付けを行うとともに、雇用難民のモチベーションを高めるなど、各社工夫を凝らしています。 支援団体からは、インドシナ難民の方からの相談内容や就労状況について報告がありました。具体的な事例をあげて難民定住者が直面する課題が紹介されました。 雇用は定住の要です。しかし安定した就労の確保とは、福祉や生活相談、住居の確保と地域との繋がり等、様々な要素が関連し合って成り立つのだと改めて感じました。八尾市では行政機関と地域団体が協力してきめ細かい支援を行い、外国人の方々に住みやすい地域づくりの工夫をされています。参加者の皆様から頂いたご意見を今後の支援事業に活かしていきたいと思います。

難民理解講座を共立女子大学で行いました(2017.11.14)

難民理解講座を共立女子大学で行いました(2017.11.14)

2017年11月14日(火)共立女子大学神田一ツ橋キャンパス(東京都千代田区)にて、国際学部学生約50名を前に、伊藤寛了企画第一係長が難民理解講座を行いました。 今回の難民理解講座は、「日本の難民受入れと定住支援」と題し、質疑応答を含め約90分間お話ししました。まず、「日本の難民受入れ」では、難民の定義を確認したのち、日本で難民として受け入れられてきたインドシナ難民、条約難民(難民認定者)、第三国定住難民について、その受入れ経緯や法的制度について説明しました。 次に、「定住支援」では、「あなたが難民となって日本に来たら何に困ると思いますか?」と学生の皆さんに問いかけ、難民事業本部が約40年間行ってきた難民への定住支援事業をお話ししました。日本で難民認定を受けた方や、第三国定住で来日した難民の方々等に対し、難民事業本部は、外務省・厚労省・文化庁の委託を受けて、「定住支援プログラム」を実施しています。プログラムでは、日本で自立した生活を営む上で必要な日本語教育や就労あっせん等を提供しており、プログラム修了後も難民生活相談やコミュニティー支援などのアフターケアを行っていることを紹介しました。 最後に、学生の皆さんにもできる身近な難民支援についてご紹介し、難民について知り、考え、それを伝えることでサポーターを増やしていこうとメッセージを送りました。 学生の皆さんからは、「講義スライドや映像を見て、日本が行っている難民への支援について理解を深めることができた。」「難民と出会う機会が少ないので、日本に暮らす難民の存在を実感しました。」といった感想を頂き、また、日本の難民受入れについても「難民認定後も、日本語学習や、日本の文化や習慣を知ること、人間関係を築くことが大変であることがわかった。」「日本で生活できるよう、一人ひとりにケースバイケースで対応していかなければならないことに、難民問題や難民受入れの深さを感じました。」とコメントを頂きました。 難民事業本部(RHQ)は、世界の難民問題や、日本での難民受入れと日本定住など、難民に関する様々なテーマで「難民理解講座」を行っております。授業や講演などをご希望される学校・団体の方は、HP「お問い合わせ」より、ぜひご連絡ください。
 

第三国定住難民第8陣 難民の交流会に参加(2017.11.12)

第三国定住難民第8陣 難民の交流会に参加(2017.11.12)

2017年11月12日(日)、RHQ支援センター第28期生(第三国定住難民第8陣)8世帯29名は、当アジア福祉教育財団が新宿区等との共催で開催した「第38回日本定住難民とのつどい」を観覧し、会場で日本に暮らす難民定住者との交流の機会を持ちました。 会場には、主に関東地域から集まった日本で生活する難民およそ800人が来場しました。なかには約30年前に来日した方が子どもと孫を連れ、親子3世代で来場するなど家族連れでの参加も多く見られました。 第一部の式典では、難民の支援に取り組む団体や個人に感謝状が贈られ、他の模範となる難民定住者には表彰状が授与されました。ベトナム出身の女性によるスピーチでは「日本は私の第2の母国。ボランティア活動を通じて日本とベトナムの架け橋になりたい」との決意が語られました。 続いて行われたアトラクションでは、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、ラオスの定住者による民族舞踊と日本人グループによる阿波踊りが披露され、国によって特徴の異なる見ごたえある踊りに、第28期生の大人も子どもも身を乗り出さんばかりに見入っていました。懐かしい旋律を耳にして、祖国に想いを馳せ、充実したひとときを過ごしました。 休憩時間には、同じ第三国定住制度でタイやマレーシアから来日した先輩難民たちとも情報交換を行い、日本社会に適応して生活している様子を見聞きして、自分たちの将来の姿をより具体的にイメージすることができました。

RHQ支援センター第28期生(第三国定住難民第8陣)ハローワーク見学(2017.11.8)と先輩難民の職場訪問(2017.11.9)

RHQ支援センター第28期生(第三国定住難民第8陣)ハローワーク見学(2017.11.8)と先輩難民の職場訪問(2017.11.9)

第28期生の大人クラス17名は、生活ガイダンス講座の職業ウィークの一環で、就労意識の向上を目的に、ハローワークの見学と先輩難民が勤める職場を訪問しました。 2017年11月8日(水)、新宿外国人雇用支援・指導センターのご協力を得て、同センターを見学し、実際に求職票を見せてもらったり、求人情報の検索の仕方を教えてもらったりしながら、仕事を探す際の手順や流れを学びました。また、担当者の方から、同センターが外国人向けの求人に特化して情報提供していること、日本でよりよい就業機会を得るためには一定の日本語力が必須であること、そのためには日々日本語力を向上させる努力が必要なことなど、今後の日本語学習に励みとなるアドバイスを受けました。
11月9日(木)、(株)ファーストリテイリングのご協力により、第三国定住で昨年来日した先輩のミャンマー難民夫婦が勤務する都内のユニクロ店舗を訪問し、実際の勤務の様子を見学させていただき、休憩時間を使って、先輩難民から日本で就労する上での心構えなどを伺いました。先輩からのアドバイスは、時間を守ること、決められたマニュアルを正確にこなすこと、日本語のコミュニケーション力はそのまま評価に繋がるので、RHQ支援センターでしっかり勉強しておくこと等々、具体的で大変参考になるものでした。