第三国定住難民第8陣 定住先地域の日本語教室での学習の様子(1)(2018.11.30)

第三国定住難民第8陣 定住先地域の日本語教室での学習の様子(1)(2018.11.30)

広島県呉市に定住した第8陣(5家族)は、地域の市民センターで行われている3つの日本語教室(『日本語教室《呉》』、『せかいの花』、『こども日本語教室シランダ』)に参加する形で、日本語の継続学習を開始しました。また、小学校に通う子どもたちは、放課後クラブ「アミザージ」で、週に1回、放課後に日本語の勉強をしています。 『日本語教室《呉》』に参加しているお父さんたちは、夜勤が重なり仕事が忙しい中、一所懸命勉強に取り組んでいます。また、西日本豪雨で被害を受けた被災地のお手伝いがしたいと自ら希望し、今夏4回にわたってボランティア活動に参加しました。 『せかいの花』では、幼い子どもがいるお母さんたちが、週1回平日の朝に勉強をしています。託児支援者が授業中に子どもをみてくださるので、集中して自分の勉強に取り組むことができます。 『こども日本語教室シランダ』では、小中学生の子どもたちが、同世代の仲間と共に勉強を頑張っています。日本語学習支援教室が、皆の居場所、仲間作り、そして将来の夢を語る場となっています。 日本語教室を通じて地域社会に参加することを目的に、さまざまな国籍の方々が参加するクラスの中で、机に向かう座学だけではなく、先生や他の受講生の方との交流やイベントに取り組んでいます。 定住が始まった日から、第8陣(5家族)の一人ひとりが、地域社会の一員として活躍しています。
せかいの花で「社会参加のための日本語通信講座」の確認問題に取り組むお母さんたち

難民理解講座を順天堂大学「国連UNHCR難民映画祭」上映会で行いました(2018.11.21)

難民理解講座を順天堂大学「国連UNHCR難民映画祭」上映会で行いました(2018.11.21)

11月21日(水)順天堂大学本郷・お茶の水キャンパス(東京都文京区)にて、順天堂大学国際教養学部公開講座 「国連UNHCR難民映画祭−学校パートナーズ」上映会が開催され、74名の学生や教職員、市民の方々を前に、伊藤寛了企画第一係長が難民理解講座を行いました。 上映された「ソフラ〜夢をキッチンカーにのせて〜」は、レバノンのパレスチナ難民が貧困や差別に苦しみながらも、決して希望を捨てず、仲間と助け合いながら、自立に向けて奮闘する様子を追ったドキュメンタリー映画です。 上映に先立って実施した難民理解講座では、「世界の難民問題と日本の難民受入れ」についてお話ししました。「世界の難民問題」では、世界の難民や国内避難民等の発生数が過去最多となっていることや、レバノンは難民条約に加入していないものの、人口一人当たりの難民受け入れ数が最も多いこと等を確認しました。続く「日本の難民受入れ」では、日本も約1万2000人の難民を受入れており、難民事業本部は、政府からの委託を受けて国際機関や自治体と協力しながら、約40年に渡り様々な支援を実施していること等をお話ししました。最後に、学生・市民の皆さんにもできる身近な難民支援についてお伝えし、約20分間のレクチャーを終えました。 映画上映後には、「大変分かりやすく、勉強になった」、「日本の難民受入れの実態を学び、自分も何かしたいと思った」といった感想を頂きました。 難民事業本部(RHQ)は、難民問題や、日本での難民受入れと日本定住など、難民に関する様々なテーマで「難民理解講座」を行っております。授業や講演などをご希望される学校や団体は、HP「お問い合わせ」より、ぜひご連絡ください。
 

難民理解講座を共立女子大学で行いました(2018.11.13)

難民理解講座を共立女子大学で行いました(2018.11.13)

11月13日(火)共立女子大学神田一ツ橋キャンパス(東京都千代田区)にて、国際学部学生約50名を前に、難民事業本部が難民理解講座を行いました。 今回の難民理解講座は、「日本の難民受入れと定住支援」と題し、約40分の講義と難民定住者の方を迎えてのクロストークという形式で行いました。 まず、「日本の難民受入れ」では、難民の定義を確認したのち、日本で難民として受け入れられてきたインドシナ難民、条約難民(難民認定者)、第三国定住難民について、その受入れ経緯や法的制度について説明しました。 次に、「定住支援」では、「あなたが難民となって日本に来たら何に困ると思いますか?」と問いかけ、難民事業本部が約40年間行ってきた難民への定住支援事業について説明しました。日本で難民認定を受けた方や、第三国定住で来日した難民の方々等に対し、難民事業本部は、外務省・厚労省・文化庁の委託を受けて、「定住支援プログラム」を実施しています。プログラムでは、日本で自立した生活を営む上で必要な日本語教育や就労あっせん等を提供しており、プログラム修了後も難民生活相談やコミュニティー支援などのアフターケアを行っていることを紹介しました。 次にクロストークとして、カンボジア出身のインドシナ難民の方1名をお迎えし、来日当時の写真なども交えて、来日の経緯や定住促進センターでの学び、ご自身の経験や通訳としての活動を通じて、日本に暮らす外国人の抱える悩みや今後の社会への期待などをお話しいただきました。これから外国人と日本人が社会で共生していくうえで、「日本に来て知り合いも少なく、寂しい思いをしている人も多い。身近な日本人に気軽に声をかけてもらえると嬉しいと思う」というメッセージがありました。 学生の皆さんからは、日本の難民受け入れ体制と難民事業本部が行っている定住支援について、「日本に来た難民の総数が1万人を超えていて、思ったより多いと思いました」「難民を受け入れるべきと簡単に言ったものの、講義を聞いて日本での生活を1から一人一人にガイダンスするということはとても大変なことだと気づかされました。」「RHQ支援センターで日本語学習や日本の生活の仕方など事細かに教えていることに驚きました。」といった感想をいただきました。 また、クロストークによる難民定住者の方のお話については「実際に難民として日本に来られた方の実体験が印象に残りました。貴重な体験でした。」「実際に自分が経験したことを活かして、難民として日本に来た他の方々に手を差し伸べたりする活動をしていると聞き、人の役に立つ仕事をしているのだと思いました。」「難民定住者の方の『同じような立場に立って接してほしい』という言葉が印象的でした。」といった感想をいただきました。 難民事業本部(RHQ)は、世界の難民問題や、日本での難民受入れと日本定住など、難民に関する様々なテーマで「難民理解講座」を行っております。授業や講演などをご希望される学校・団体の方は、HP「お問い合わせ」より、ぜひご連絡ください。

RHQ支援センター第31期生(後期半年コース)が防犯・交通安全指導を受講しました(2018.11.5)

RHQ支援センター第31期生(後期半年コース)が防犯・交通安全指導を受講しました(2018.11.5)

RHQ支援センター第31期生(後期半年コース)2名は、11月5日(月)、地元警察署の協力を得て、署員から交通安全及び防災・防犯の指導を受けました。 講義は、交通安全と防災防犯に関することの2つに分かれ、それぞれの担当署員から丁寧な説明を受けました。 交通安全の指導では、知っているようで意外に知らないことが多い自転車の交通法規と運転上の注意点についてお話しいただきました。 自転車で歩道を走る際のルールでは、「自転車歩道通行可」の標識がある歩道を走るときは、歩行者を避けて車道側を通行しなければならないと決められていることなど、普段気づかない、知らずに間違ったことをしていることを図や資料を用いた分かりやすい説明をいただきました。 防災教育では、首都直下型大震災シミュレーションのDVDを見た後、居住地域の避難所の確認など平時から準備できることや心構え、被災時の対応などについて学びました。 防犯講習では犯罪被害に遭ってしまった際には直ちに「110番」に通報する必要性などのほか、外国人の場合は、外出時には必ず在留カードを携帯し、警察官の職務質問には在留カードを提示する義務があること、在留カードや保険証などは貸し借りしないこと等、身近なところにある犯罪の落とし穴には近づかないことの重要性について詳しく事例を交えた指導を受けました。 この講義を終えて、入所者の一人は、自分が安全なところに住みたいのなら、自分も法律を守り、安全な社会を作ることが必要だ、という感想を述べました。他の一人は、日本の警察は自分の国とは違い怖くない、やさしい警察がいることを初めて知ったと驚いていました。

第三国定住難民第9陣が難民とのつどいに参加しました(2018.11.4)

第三国定住難民第9陣が難民とのつどいに参加しました(2018.11.4)

2018年11月5日(日)、当アジア福祉教育財団が新宿区等との共催で開催した「第39回日本定住難民とのつどい」にRHQ支援センター第32期生(第三国定住難民第9陣)5世帯22名が参加し、模範難民定住者や難民雇用事業主等の表彰、難民コミュニティによるアトラクションなどを観覧しました。 当財団は、政府がベトナム、ラオス、カンボジアからのインドシナ難民の受け入れ、定住支援を決めた1979年に政府の委託を受け、難民が定住するのに必要な支援プログラムを開始し、以来40年にわたり支援を継続してきました。その間、約6千6百名のインドシナ難民、条約難民、第三国定住難民の日本語教育、就職あっせん等を行ってきました。 第39回目を迎え、会場となった新宿文化センターには、関東地域に定住している難民定住者を中心におよそ800人が集まり、お互いに近況を報告し合ったり、旧交を深めました。近年では、一世、二世に加えて孫を連れて三世代で参加する方も増えています。 第一部の式典では、難民の雇用に取り組む事業所や難民支援に寄与する支援団体に感謝状が贈られ、模範となる難民定住者に表彰状が授与されました。難民の積極的な雇用を世界規模で展開し70名以上の難民雇用を実現しているファーストリテイリング(ユニクロ)や同社で正社員に登用されたミャンマー難民定住者が受賞し、社員の難民定住者のスピーチでは、「私はユニクロにインターンとして入社し、同僚のサポートを受けながら、難民出身者として初めての正社員となり、店長代行を務めるに至っています。ここまでこられたのは自分ひとりの力ではなく、周囲の励ましや助けが大きな力になりました。自分だけが大変で、辛いのではなく、社会全体は繋がっていて、お互いに助け、励ましあうことが大切だと感じ、恩返しとして色々な所で難民について話をしたり、コミュニティで活動したりしています。」との言葉が語られました。会場でこのスピーチを聞いた第三国定住難民の方々も大いに励まされました。 第二部のアトラクションでは、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、ラオスの定住者による民族舞踊のほか地元小学校の音楽・太鼓クラブの演奏などが披露されました。回の最後を締めくくるイリュージョンマジックには、会場で観覧した32期生も驚きの声をあげながら、見入っていました。 第32期生は今年9月下旬に来日し、日本の生活も約1か月になったところですが、ミャンマーコミュニティの民族舞踊を見て、遠い母国に想いを馳せていたようです。