千葉県在住第三国定住難民を対象に地域相談会を開催しました(2020.1) 

千葉県在住第三国定住難民を対象に地域相談会を開催しました(2020.1) 

日本での生活が長くなるにつれて、日常生活での相談や悩みだけでなく、「永住」の許可申請や帰化申請の方法、年金の仕組みなど将来設計に関わることについて、自分たちの将来のために詳しく知りたいという人が多くなってきました。これらの制度や手続きについてはRHQ支援センターで学んだ内容ですが、難民定住者の安定した生活に資すると考えられるため、地域相談会を開催しました。

相談会では初めに、「永住」の許可申請をする際の法律上の条件や提出する資料、提出先などについて具体的に説明しました。納付した税金の返納や年金の脱退一時金など、難民家族からの様々な質問に応じて難民事業本部の職員が説明を行いました。日本で生活し、定住していく上で、必要なことをきちんと理解し、自分が責任をもって決めていこうとする姿が印象的でした。

そして永住と帰化の相違点やそれぞれのメリット等も詳しく説明し、参加者は理解を深めました。いずれの申請も5年以上の定住生活を満たし、学歴の要否や必要とすれば日本語の能力、税金や健康保険料を納めていることが必要となるため、真面目に就職して日本語能力を向上させることが大事であることをアドバイスしました。

また、大切なことは他の家族もいる中で、質問したい、という人も多く、予定時間を超えて質問が相次ぎ、皆で役立つ情報を共有しようという気持ちが伺えました。

年金などの社会保障制度は、変更されることがあるので、必要な時に難民が自分で年金事務所に問い合わせるとよい、とのアドバイスも行いました。難民一人一人の自立に向けて、これからも支援を続けていきます。

RHQ支援センター第34期生・第三国定住難民第10陣が日本の歴史を勉強しました(2020.1)

RHQ支援センター第34期生・第三国定住難民第10陣が日本の歴史を勉強しました(2020.1)

定住支援プログラムの生活ガイダンスの授業で、江戸東京博物館を見学しました。

見学は班に分かれて3つのグループで、それぞれの博物館ボランティアガイドの方が、分かりやすいよう教えてくださいました。

覚えたばかりの日本語があると書物を見入り、漢字もふりがなを読んだり、絵草紙や錦絵の江戸時代の様子にこれはどういう場面ですかと質問をしたり、工場の成り立ちなど私たち日本に住んでいると当たり前になっていることにも関心をもったり、東京大空襲の話にしっかり耳を傾けていたり、日本のことをよく知ろうと意欲的に見学していました。

今日の見学で、江戸時代から明治以降の日本の近代国家への歩みを分かりやすく勉強し、日本の社会や文化の成り立ちと背景について、楽しく勉強することできました。

日本への理解を深め、今後定住してくれることを祈っています。

第三国定住難民第10陣が地域活動に参加しました(2020.1)

第三国定住難民第10陣が地域活動に参加しました(2020.1)

2020年1月の午後、地域住民の皆様にご協力いただき、交流会を開催いたしました。難民の方にはこの交流会を通して、地域のコミュニティに積極的に参加することができるようになることを目的にしています。

まず学生団体によるオーケストラの演奏があり、参加した難民達はアニメの音楽や聴いたことがある音楽だと嬉しそうに話すなど全員が聞き入っていました。その後はけん玉、こま遊び、羽根つき、輪投げ、百人一首に分かれ、日本の昔遊びを体験しました。けん玉では、せーので振り上げ、「成功した!」と歓声があがりました。こま遊びでは紐を巻き上げ誰が一番長く回せるか競いあいました。羽根つきでは天井に羽がつきそうになるほど白熱したやり取りが繰り広げられました。輪投げでは真ん中の得点に入れられるか競争し合いました。

その後、各クラスに分かれてそれぞれ自国文化紹介の発表会を行いました。親子で音楽に合わせて踊りを披露したり、ヒジャブの巻き方を日本語の先生をモデルに実演したり、民族衣装を準備して民族の踊りを披露したり、石を使った国の遊びを日本語で説明しながら披露したり、皆自国の文化を紹介しました。

最後は「うえをむいてあるこう」を、地域の皆さんと一緒に歌いました。「つらいことがあっても上を向いて歩いていこう」と歌う様子は難民自身と重なり、支援する側とも一体感が生まれました。

もうすぐ3月で定住支援プログラムが終了しますが、日々の学習を通じて一人一人が着実に日本語を身につけており、日本に定住し、生活していく姿が想像できるまでになっています。