UNHCR難民高等教育プログラムを活用し大学へ進学した難民定住者

UNHCR難民高等教育プログラムを活用し大学へ進学した難民定住者

現在、第三国定住難民の中で、UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)*1に合格して大学に通っている学生が3名います。

それぞれがそれぞれの場所で、日々夢に向かって頑張っています。

今回はその内の1名にインタビューしました。

彼女は、日本の第三国定住難民の女性として初となるRHEPの大学生です。

RHEPは、日本語か英語で受験が可能となっており、彼女は英語が堪能であったため、英語で受験をしました。第一希望の大学へは残念ながら行けませんでしたが、現在通う大学では国際学部に在籍し、日々日本語や一般教養などの勉学に励んでいます。

また、勉学の傍らアルバイトをして社会経験を積みながら自活しています。

将来は自分と同じ境遇にある難民の手伝いをしたい、今できることを精一杯やっていきたいと、夢に向かって頑張っています。

RHEPへの応募を考えている人々に向けた彼女からのメッセージをご紹介します。

RHEP応募には、卒業証明書等、勉強した証明書が必要となるため、日本国外で学習した人はそういった証明書類を持参してください。日本では、自分が頑張れば支援してくれる方々がいます。私は多くの皆さんにたくさん支援をしていただきました。皆さん、頑張ってください。

彼女のように、周りの様々な制度やサポートを利用して、夢をつかむ難民が増えるよう、RHQもサポートしていきたいと思います。

RHQではRHEPの相談にものっていますので、支援が必要な方は一度お問い合わせください。

*1 UNHCR難民高等教育プログラム(Refugee Higher Education Program – RHEP)は、 社会経済的な理由で、日本の大学に通うことが困難な人のための奨学金制度で、奨学金には授業料などの学費が含まれます。大学によっては、学生生活のために毎月の援助がある場合もあります。詳しくは、UNHCR難民高等教育プログラム(Refugee Higher Education Program – RHEP)をご覧ください。

http://rhep-japanforunhcr.org/


広報動画を撮影しました(2020.3)

広報動画を撮影しました(2020.3)

広報部では、海外向け第三国定住事業の広報資料として、広報動画を制作しました。

定住支援プログラムの紹介として、RHQ支援センター第34期生と第35期生の皆さんに協力をいただき、普段の授業の様子や戸外学習、地域の方々との交流などを撮影しました。生き生きと学習に取り組む様子を映像に残すことができました。

広報動画の撮影1 広報動画の撮影2

また、すでに日本で定住しているご家族や、就労先で一生懸命働く様子、日本の学校で学ぶ学生など、多くの難民の方々にもインタビューをお願いしました。

それぞれの立場から、ふだんの日本での生活で感じている思いを話してくれました。

「日本に来てみても、100%自分たちが思っていた通りにはなれない。仕事も怠けることもできないので、自分で頑張って働かなければならない。将来は自分のことより、子どものことを考えています。第三国定住地として、日本を選んだのも子どものためです。子どもの将来を支える父親になりたいと思っています。」

「日本語は大事だと分かっていますが、日本語を覚えるのはとても大変です。なかなか時間がないので、これからも勉強しようと思っています。」

「将来は、10年後20年後の将来のために今できることを精いっぱいやっていきたいです。家族みんなが何事もなく幸せに健康で過ごせることが1番だと思っています。」

「自分が頑張れば頑張るほど、勉強ができます。日本の国では、自分が頑張れば、支援してくれる方々がいます。私は多くの皆さんに多くの支援をしていただきました。皆さん、頑張ってください。私のような若者に日本へ来てほしいです。」

自分たちと同じように日本へ来ることを考えている方々へ、日本語を交えながらも、日本へ来るためのアドバイスを教えてくれました。難民事業本部では、日本で定住する難民への理解が広まるよう、これからも広報を続けてまいります。

第34期生(第三国定住難民コース・第10陣)、第35期生(条約難民後期半年コース)合同学習発表会(2020.3.11)と第34期生第三国定住難民コース修了式(2020.3.16)

第34期生(第三国定住難民コース・第10陣)、第35期生(条約難民後期半年コース)合同学習発表会(2020.3.11)と第34期生第三国定住難民コース修了式(2020.3.16)

 2020年3月11日(水)、第34期生(第三国定住難民コース・第10陣)と第35期生(条約難民後期半年コース)の合同学習発表会がRHQ支援センターで開かれました。

学習発表会では、これまでの日本語学習の成果として、日本語でのスピーチや詩の朗読、合唱などを関係者の前で披露します。スピーチでは、日本に来る前の生活のこと、日本に来ることを決めた理由、日本で苦労した体験、将来の夢などが話されました。詩の朗読では、谷川俊太郎の「生きる」という詩を自分の人生に置き換えて発表しました。「生きていること、ミャンマーのかぞくに会いたいということ、むすこが大きくなるということ」、「生きていること、かぞくとこうえんに行くこと、日本でさくらの花を見ること」、「生きていること、わたしの未来をつくるために、今がんばるということ、がんばらなければ、何もえられないということ」など、家族や仲間みんなで幸せに生きることを願う気持ちが伝わってきました。

最後に全員が並んで合唱した「上を向いて歩いていこう」は、これからの新しい生活に不安な気持ちを感じつつも、たとえ苦難があっても乗り越えて生活していこうという前向きな決意にも聞こえ、明るい気持ちで学習発表会を終えることができました。

学習発表会1 学習発表会1

16日(月)には、第34期生第三国定住難民コースがプログラムの修了を迎え、RHQ支援センターで修了式が開催されました。新型コロナウイルス感染防止のため、修了式は急遽、関係機関の参加を中止とし、日本語講師とセンター職員の出席の下で執り行いました。
修了証書の授与の後、お祝いや励ましの言葉に対して、修了生が新たな生活を始めるにあたっての心構えを述べました。一人ひとりが日本語で、「日本に来る前は日本語が分かりませんでした。今は日本語が書けます。話せます」、「日本語の先生、毎日ありがとうございました。これからも勉強を続けます」「日本は平和な国です。日本に来られてよかったです。日本政府、UNHCRに感謝します」など感謝と希望に満ちあふれたスピーチが続きました。修了生は3月中に愛知県の定住先に移転し、新しい生活を開始しました。

修了式1 修了式2