RHQ支援センター第38期生(条約難民前期半年コース、夜間1年コース)開講しました(2021.4.6)

RHQ支援センター第38期生(条約難民前期半年コース、夜間1年コース)開講しました (2021.4.6)

  2021年4月6日(火)、第38期生(条約難民前期半年コース、夜間1年コース)の開講式をオンラインで開催しました。入所者は開講式までにオンライン授業に参加できるよう、通信機器の操作やZoom入室練習を重ねた結果、開講式当日は全員が時間通りに自宅からオンラインで開講式に参加しました。

 初めに、礒難民事業本部長より、RHQのプログラムを受講する決心をし、入所したことを歓迎する式辞があり、続いて関口日本語教育参与から日本語講師を代表して、将来の夢に向かって日本語学習に励んでほしいとの言葉がかけられました。また、外務省と文化庁の政府関係者からもお祝いと励ましがありました。

 入所者の学習の目的は、「日本で仕事に就くため」、「職場でより活躍した」、「子どもの保育園でスムーズなやり取りができるようになりたい」など様々ですが、全員が笑顔で揃って修了を迎えられるよう、RHQはサポートしていきます。

RHQ支援センター第37期生(条約難民後期半年コース)安全や防災について学びました(2021.3.11)

RHQ支援センター第37期生(条約難民後期半年コース)安全や防災について学びました(2021.3.11)

2021年3月11日、RHQ支援センターの定住支援プログラムの一環で、第37期生の生活ガイダンス講座を実施し、地元警察署署員による日本で安全に暮らすための生活安全、防犯・防災、交通安全の講義をオンライン授業で行いました。

この日は、10年前の東日本大震災の発生日にあたることもあり、防災に備える意識を高めてもらうため、大地震のシミュレーション画像を鑑賞しました。建物の崩壊、大規模火災、交通インフラの遮断、路面の液状化、津波など地震直後の災害の様子などはショッキングな映像もありましたが、日頃から災害に備える心構えの大切さを学びました。

防犯では、危険に近寄らない、巻き込まれない心得として、在留カードの常時携帯、誘惑に乗らない、違法な訪問販売を受けないなどの安全な生活についてのアドバイスがありました。交通安全では、道路標識の意味、正しい自転車の運転ルール、起こしやすい自転車事故など身近に潜む危険にあわないためのノウハウが示されました。

講義を受けた受講生からは「地震の怖さと避難場所を知っておく大切さがわかった」、「自転車の運転ルールは知らなかったので役立った」、「違法なことの誘惑が身近にあるので気を付ける」などの感想が聞かれ、防犯意識の高まりがみられました。

第三国定住難民を指導する日本語講師向け初任者研修会を開催しました(2021.2.24)

第三国定住難民を指導する日本語講師向け初任者研修会を開催しました(2021.2.24)

 難民事業本部では、定住地でのより良い日本語教育支援のために、第三国定住難民を指導する日本語講師向けの初任者研修会を開催しました。今年は新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの開催としましたが、各回とも平日日中にもかかわらず、神戸や名古屋など幅広い地域の方にご参加いただきました。普段顔を合わせる機会がない遠方の支援者同士が話し合い、一緒に課題に取り組むなど、オンライン開催のメリットを活かした研修会となりました。

〇第1回.難民理解(1月22日)講師:難民事業本部

難民事業本部における難民等への支援について、日本の難民受け入れとこれからと題し、RHQの支援体制について説明しました。次に、日本語教育監督者からRHQ支援センターでの日本語教育について、その特徴や理念などを説明しました。最後に第三国定住難民に対して行っている生活支援の内容や日本語教室の果たしている役割などを生活相談員から説明しました。質疑応答では、難民の来日前の状況や、国籍取得などの手続に関する質問が出されました。また、RHQの教育理念・センターでのカリキュラムについて参考になった、生活支援のお話を聞くことができてよかった、といった声をいただきました。

〇第2回.社会参加のための通信教材(1月29日) 講師:松尾 慎先生(東京女子大学)

 第三国定住難民向け日本語教材として文化庁が開発した「社会参加のための日本語通信講座」について、監修・執筆者の松尾先生をお招きして教材の構成や開発の背景、特徴やねらいについて、解説していただきました。全24号のテキストのうち、第16号「仕事」のテキストを取り上げ、受講者がグループに分かれて、教室での教材の具体的な活用方法や、学習者と講師の対話の広げ方について、議論しました。普段は別々の地域で異なる陣を対象に日本語指導を行う指導者が地域を超えて、様々なアイディアを出し合いました。

 参加者からは、「(教材の)意図や使い方がよくわかりました。現場の先生とのグループワークでのご意見や情報も参考になりました。」「各地の先生方と実際にお話ができ、現場での支援について具体的に共有できたことは、大変有意義でした。」「参加型で非常に分かりやすく有効でした。」「セミナーで集まる場があることで、支援者の心配事が共有されてよかったと思います。」といった感想をいただきました。

〇第3回.オンライン授業(2月10日)講師:金 孝卿(キム ヒョギョン)先生(早稲田大学日本語教育研究センター)

 新型コロナウイルスの影響で、多くの教育機関がオンライン授業を開始し、様々な試行錯誤を行う中、大学でオンライン授業を行っている金先生をお招きし、オンラインによる日本語指導について、様々な経験やアイディアをお話しいただきました。

 授業を進めるうえで、対面とは異なる課題や注意点について、先生ご自身の工夫を教えていただくとともに、実際に授業で使用している様々なオンライン上のツールをご紹介いただきました。また、グループワークでは、仕事場で起こりがちなコミュニケーション上の難しさについて、事例を取り上げて参加者同士でどのように対応したらよいかを話し合いました。

 参加者からは、「対面授業とオンライン授業を比べながら説明したことで、それぞれの特徴が明らかになった。また、今後のオンライン授業に役立つアプリケーションの紹介があったこともよかった」「グループに分かれて考えたので、学生の気持ちになって体験できました。紹介していただいた活動について、取り入れたいと思います」といった感想をいただきました。

〇第4回.外国につながる子どもたちへの日本語支援(2月24日)講師:池上 摩希子先生(早稲田大学)

 第三国定住難民の子どもの支援を行う支援者に向けて、池上先生をお招きし、「子ども」に「日本語」を教える際に、知っておくべき背景知識や留意点、課題などをお話しいただきました。また事例として子どもが複数言語を使う際の、第一言語と日本語との関係性についての分析結果から得られた指導のポイントや、復言語複文化にある子どもたちへの支援活動から、複数言語でコミュニケーションができることを価値として認め、学びを伸ばしていくことの重要性などを具体的な取り組みを交えてご紹介いただきました。

 後半は参加者が事例をテーマにグループで話し合い、様々な疑問や経験を共有しました。

 参加者からは「子どもの日本語学習について、全体的なことがよく分かりました。」「子供への支援の話でしたが、大人にも参考になることが多く良かったです。」「今後は複数言語状況の価値が認められる場をどのように作っていくのか、考えなければならないと思いました」といった感想をいただきました。

全体として参加者アンケートでは「非常に良かった」「良かった」という声が多く、こうした研修を今後も開催してほしい、企画構成やグループワークの進め方など運営もよかったとのコメントをいただきました。他方、開催日程やテーマについては、今後の参考となる意見もいただきました。日本語教育事業でオンライン研修を行うのは初めてでしたが、今回の経験を踏まえて、さらに充実した研修を企画していきたいと思います。

 ご協力いただいた講師の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。