「ワークショップ難民2021」を開催しました(2021年6月23日、7月7日、7月21日)

「ワークショップ難民2021」を開催しました(2021年6月23日、7月7日、7月21日)

 難民事業本部関西支部と神戸YMCAは難民問題を多くの方に知っていただくための参加型セミナー「ワークショップ難民2021」(2021年6月23日、7月7日、21日の全3回)をオンラインで開催しました。難民問題に関心のある高校生や大学生、社会人など、延べ104名の方にご参加いただきました。

 第1回「難民とは」では、さまざまな原因で故郷を離れなくてはいけなくなった人々のケースを比較し、難民と国内避難民・移民・災害避難民等との相違点を話し合いました。難民の定義についての解説に続いて難民の多くが戦争や迫害等により故郷を追われた人々であること、難民の受入国の多くは開発途上国であり、受入国の負担が深刻な問題となっていること、について考えました。

 第2回「難民になる」では各グループに家族構成、自身の状況、近隣地域、国の状況等の条件下で難民になったことを想定して、自分たちだったらどのような行動を取るかシミュレーションしました。グループでの議論や他グループの発表を通じ、より難民の気持ちになって考えることができました。

 第3回は「難民を受け入れる」では、日本はもっと多くの難民を受け入れるべきなのかを1978年からの難民受け入れの歴史や、他の先進国の受け入れ状況との比較から考え、認定制度や受入れの仕組みについて概観しました。

 全3回のワークショップを終えて、難民問題に関心を持つ人々の世代の広がりを強く感じられるワークショップとなりました。参加者からは「学校の授業では、難民というものを言葉で聞く機会はあったが、具体的に最近の写真を見たり、先生のお話を聞いたりしたことで、より難民問題の深刻さを感じた」「一つ一つについて説明をしていただいたので、事前知識があまりなくても参加できる内容だったと思う。これを入門として、難民受け入れ数を増やせる世の中の仕組みについて興味を持って考えていきたいと思った」「参加者の皆さんの多くの意見を聞けて良かった」などの感想が寄せられました。

 難民事業本部では今後も難民についてご理解いただけるよう、ワークショップやセミナーなど、難民理解のための様々なプログラムを提供してまいります。

「第18回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました(2021年8月3日-6日)

「第18回多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を開催しました(2021年8月3日-6日)

 毎年夏に開催している「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」を、今年も8月3日、4日、5日、6日にオンラインで開催しました。このセミナーは、平和、貧困、開発、人権、環境、難民などの地球的課題について学校の授業で取り上げてもらうために、教員を主な対象として、教育委員会(兵庫県、神戸市)と、国際協力団体であるJICA関西、神戸YMCA、PHD協会、難民事業本部の6団体が2004年から毎年共催しているものです。

 基調講演では、北海道教育大学名誉教授の大津和子さんに「ESD x SDGsと国際理解教育」と題してお話しいただきました。参加者同士がグループでSDGsとコロナの感染最大の関係について話し合える時間もあり多様な視点で考える機会となりました。4日間にわたって国際理解、環境、多文化共生、難民、平和等幅広いテーマによる分科会が行われました。新型コロナ禍により例年と異なりオンライン形式となりましたが、4日間で265名の方々にご参加いただき、関西圏外、国外からの参加もありました。

 難民事業本部は「ワークショップで考える難民問題」と題した分科会を担当し、どのような人を難民と呼ぶのか、なぜ難民になってしまうのか、もし自分が難民になったら何を持って逃げるのか、難民キャンプでの食事の量など生活はどのようなものなのか、難民が抱える問題や世界の難民状況についてワークショップを通して考えました。教員や学生も含め32名の方々に参加いただき、難民問題について関心を持っていただくよい機会となりました。

 難民事業本部は、これからも教育現場で難民について考えていただけるよう、教員の皆様と連携してまいります。