「雇用促進協議会」を開催しました(2022.2.14)

「雇用促進協議会」を開催しました(2022.2.14)

 2月14日、3つの労働行政機関と難民の雇用事業所8社にご参加いただき、日本定住難民への理解および雇用促進を目的に、雇用促進協議会をオンライン(Zoom)で開催しました。

 今年度は近年支援要請が増加している条約難民および第三国定住難民を対象とし、関西支部の所管である愛知県以西の関係者に広くご参加いただく形で実施しました。

 雇用主からは難民雇用に際しての工夫や苦労を伺いました。不十分な日本語能力や不慣れな日本の雇用慣行への細やかな対応、また自身の体調や家庭環境に配慮した業務内容の提供など、各社とも工夫を凝らし雇用継続の環境を整備されています。

 労働行政機関からは外国人労働者の雇用管理や雇用状況、外国人雇用サービスセンターの役割等をご紹介いただきました。難民の雇用や就労支援に携わる者として、改めて注意すべき点や今後の支援に役立つ情報をお聞きしました。

 限られた時間ではありましたが皆さまから伺った事例やご意見を真摯に受け止め、今後の難民支援に役立てる所存です。またご出席の皆さまにとってより有益な時間となるよう、そしてそれが難民の雇用促進、雇用継続に繋がるよう、本協議会の在り方も改善し模索していければと存じます。

 就労は安定した生活を築くための基盤であり、同時に日本での自己実現の手段でもあります。難民事業本部では今後も雇用主の皆さまと連携し、また労働行政機関の皆さまにご助言いただきながら、日本定住難民の就労をサポートしてまいります。

難民理解講座を墨田区役所で行いました(2021.12.17)

難民理解講座を墨田区役所で行いました(2021.12.17)

 12月17日(金)墨田区役所にて、ケースワーカーとして日々在留外国人の対応をされている墨田区職員24名の皆様を前に、難民事業本部が難民理解講座を行いました。

 今回の難民理解講座は「日本の難民受入れと定住支援」と題し講義を行いました。前半は、日本の難民受け入れに関して、日本で難民として受け入れられてきたインドシナ難民、条約難民(難民認定者)、第三国定住難民の定義及び日本での受け入れ総数を解説した後、その受入れ経緯や法的制度について説明しました。加えて、日本における過去11年間の難民認定申請者数及び出身国の推移について触れ、難民事業本部が行う難民認定申請者に対しての経済支援についても紹介しました。

 講義の後半では、難民事業本部が約42年間行ってきた難民への定住支援事業についてお話ししました。難民認定を受けた方や、第三国定住で来日した難民の方々等に対し、難民事業本部は、外務省・厚労省・文化庁の委託を受けて、「定住支援プログラム」を実施していること、プログラムでは、日本で自立した生活を営む上で必要な日本語教育や生活ガイダンス、就労あっせん等を提供しており、プログラム修了後も難民生活相談やコミュニティー支援などのアフターケアを行っていることを紹介しました。

 アンケートの中で職員の皆様からは日本の難民受け入れ体制や難民事業本部が行っている定住支援について、「難民の定住後の生活について知る機会が増えると、印象が変わる人が多いと思う」「難民認定申請者に対する保護措置申請の具体的内容が知れて良かった」といった感想をいただきました。

 難民事業本部(RHQ)は、世界の難民問題や、日本での難民受入れと日本定住など、難民に関する様々なテーマで「難民理解講座」を行っております。授業や講演などをご希望される学校・団体の方は、HP「お問い合わせ」より、ぜひご連絡ください。※講義・授業はオンラインでも実施可能です。

セミナー「わたしたちの難民問題2021/Vol.22」を開催しました(2021.12.1,8,15)

セミナー「わたしたちの難民問題2021/Vol.22」を開催しました(2021.12.1,8,15)

 難民事業本部では神戸YMCA、兵庫県国際交流協会、日本国際連合協会兵庫県本部と共催で、国内や海外の難民問題を広くみなさんに知っていただくためのセミナー「わたしたちの難民問題2021/Vol.22」をオンライン(Zoom)で開催しました。

 第1回は、「日本における難民認定制度の現状と課題」と題して全国難民弁護団連絡会議代表、第一東京弁護士会所属弁護士の渡辺彰悟さんに難民弁護の経験から難民認定制度開始から現在までの認定状況の推移や課題、難民条約が持つ人権保護の理念と、それを尊重し、実践することの重要性について、他の国との比較や判例から具体的に解説いただきました。参加者からは「日本の難民受け入れに関する問題点・課題がよく分かってよかった」、「事案,判例も含め,現状を具体的にご説明してくださり,統計表も拝見できたので大変わかりやすく,勉強になった」、「難民認定制度について学ぶよいきっかけとなった」との感想が寄せられました。

 第2回は、「アフガニスタン難民はいま」と題して、パキスタン、タイ、東京で活動されているUNHCRの職員の方々にアフガニスタン難民の現状やUNHCRの活動について、写真や動画、データなどからご紹介いただきました。参加者からは「UNHCRの色々な立場の方からお話をうかがうことができ、また、具体的な状況をデータと合わせてお話いただいたので、大変わかりやすかった」、「現地の最前線で働かれている方のお話、大変勉強になった。漠然としていたイメージが少し見えたように思う」、「UNHCRで実際に活動されている方の話を聞けるのは大変貴重な機会であり、とても勉強になった」といった声が聞かれました。

 第3回は「ミャンマー難民の現状と支援活動」と題して日本ビルマ救援センター代表の中尾恵子さんにミャンマーの歴史、地理、民族など基本的なことから最新の状況までご説明いただきました。また、ミャンマー出身のチェリーさん(仮名)から日本に来て帰れないご自身の経験、ミャンマーに残った家族や知人の状況等を伺いました。参加者からも、「たいへん勉強になった。ぜひこれからも参加させていただきたい」、「ミャンマーについて、深くかかわる方のお話を聞けて有意義であった」、「ミャンマー の歴史と現状を知ることができたのがよかった。クーデター後あまり報道されなくなった現状をわかりやすく説明してくださった」と好評を博していました。

 この度のセミナーは毎回定員を大幅に超える多くの方々にご参加いただき、難民問題への関心の高まりが感じられました。難民事業本部では、今後も難民問題を皆さんと考えていくために、様々なイベントを企画してまいります。