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2000.3.1
「難民定住者等の日本語教室の設置運営コーディネーター」レポートvol.1 −特別日本語教室−
特別日本語教室は、難民認定申請の結果を待っている人(申請者)たちを対象に、これらの人たちが一時的に住んでいる難民事業本部の施設で開かれています。教室は1回2時間、1カ月に6回、ボランティアの日本語指導経験者が指導しています。
生徒の中には、既に簡単な日本語でコミュニケーションできる人から、全く日本語がわからない人まで様々なレベルの人がいます。そのため日本語のレベルによって大まかに4つぐらいのグループに分けられています。
クラスでは、コミュニケーション能力の向上に加え、平仮名・片仮名の読み書きも学習しています。病気の表現、病院での医師とのやりとり、住居探し、求人広告を読むことや就職の面接の練習などは、教室内だけでなく、教室外で実際の場面での体験学習を行っています。たとえば、災害時の緊急避難のための場所に行ってみたり、防災訓練教室に参加したりしています。
また、文字の読み書きは就職活動で大きな力を発揮します。就労資格を持つ生徒に対しては、ハローワークに行き、求人情報を得たあと電話で雇用主に面接の交渉をするなどの就職活動の体験学習も行いました。この体験学習のあと、日本人に頼らず自分の力だけで求人広告に応募し、面接までこぎつけた人もいます。
本教室のボランティア教師は、生徒が少しずつでも自分の力で日本語でコミュニケーションがとれるよう工夫しています。
このように、地域に根ざし活動するボランティアの方々の思いやりと熱意が多文化共生を支えているのだと改めて実感させられました。
