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2004.1.20

難民支援活動ワークショップ「人道支援活動におけるニーズ・アセスメント、モニタリング、評価」 難民事業本部では、パリナック・ジャパンフォーラム(※1)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本・韓国地域事務所の協力を得て、日本のNGOのスタッフを対象に、2004年1月20日から22日の3日間「難民支援活動ワークショップ」を開催しました。今回のテーマは、「人道支援活動におけるニーズ・アセスメント、モニタリング、評価」です。 最近の海外における人道支援活動に関しては、活動の透明性、説明責任等が活動実施者に求められています。そのためにはニーズの把握、モニタリング(活動の継続監視)、評価等を正確、かつ専門的に実施する必要があり、また日本のNGO自身も、その必要性を感じています。これらの要望にこたえるため、米国の専門家養成のための民間訓練機関であるインターワークス(InterWorks LLC 本部:ウィスコンシン州マディソン市)より講師を招聘して開催しました。 このワークショップでは、ニーズの把握、モニタリング、評価の3分野について実際のシミュレーションに基づいた実践的な内容が紹介されました。ワークショップの内容の一部を紹介します。 [1]ニーズ調査における注意すべき点として、バイアス(bias;たれもが有している先入観、偏見)を取り上げました。具体的には、例えば、何らかの調査を目的としたミッションを派遣する場合には、事前に調査の目的と範囲、調査対象者の文化的背景、男女観、調査時間及び日程の制限、通訳者の選択、参加する団体及び個人の得意分野などを十分に検討すると共に、専門家故に視点が偏ってしまうことのないよう注意が必要です。 [2]モニタリングに関しては、食糧配布、給水、シェルター、教育の分野における具体的なチェックポイントが紹介されました。例えば、食糧配布においては、食糧輸送が機能的に連携しているか、倉庫の状況(保管状況、無駄はないか、搬入出等の記録)、配布状況(配布の方法、配布の記録)、受益者の受領状況、影響(受益者の栄養状態の変化)、職員の勤務状況、子どもの栄養状態などの調査結果を、スフィアプロジェクト(※2)又はUNHCRの指標を用いて数字的に示すことが必要です。 [3]評価に関しては、効率性、目的の達成度、影響、適切性、ニーズに合致しているか、持続性、他団体や他の活動との協調性及び整合性、人権への配慮等がチェックポイントです。 参加者からは、「団体の効率性、得意分野を中心とした調査ではなく、受益者の利益を第一にした人道支援の観点をもった調査が必要である」、「自分自身のバイアス、団体自身のバイアスがあることを認識した」、「評価を否定的に捉えるのではなく、内容改善のために積極的に活用することが大切であることがわかった」、「さらに実践的な学習をしたい」等の感想が寄せられました。 ※1 UNHCR日本・韓国地域事務所と日本のNGOとの対話会合 ※2 人道憲章と災害援助に関する最低基準

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