アメリカ
アメリカの難民受入と支援状況(2005年5月22日〜28日の現地調査)

 難民事業本部は、アメリカ合衆国における条約難民、第三国定住プログラム等によって受け入れられた難民及び庇護申請者に対する支援状況を把握するため現地調査を実施しました。

1.アメリカ合衆国における難民受け入れ政策の概要 現在のアメリカ合衆国(以下、米国)による難民受け入れ政策は、1980年の「難民法」によるものです。 それ以前は、古くは第二次世界大戦後に共産圏に戻ることを拒んだ約40万人の東欧諸国出身者を受け入れた「避難民法」(1948年)やソビエトのハンガリー侵攻を受けた「ハンガリー人臨時入国許可プログラム」(1956年)などをはじめ、主に共産圏からの難民を中心に受け入れを行っていました。それは、地理的、思想的に限定された個別のグループに対応するプログラムでした。しかし、1975年のサイゴン陥落以降のベトナム難民に始まるインドシナ諸国出身者の流入に対応するには、これまでの枠組みでは対応しきれなくなり、前述の1980年の法制定に至ります。 現行法においては、どの難民のグループにも対応できる受け入れを規定しています。また、受け入れるべき難民の定義は「難民の地位に関する議定書(1967年)」(米国は1968年に加盟)のものを取り入れています。1975年から30年間に約256万人の難民を受け入れ、年平均受け入れ数は約89,600人です。 2.難民の受入れ

 米国による難民の受け入れは二通りあります。第一は、いわゆる第三国定住プログラムであり、第二は国内の庇護審査プログラムによるものです。

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