ケニア
ケニアにおけるソマリア難民の状況と支援活動 (2007年4月9日〜4月12日) 難民事業本部はケニアにおけるソマリア難民の状況および支援活動を把握するため現地調査を実施しました。 1. ケニアにおけるソマリア難民 1991年から1992年にかけて、ソマリアでの内戦と飢餓から逃れるため、多くのソマリア人が難民としてケニアへ逃れました。そして1991年よりソマリアとケニアの国境近くのケニアのダダーブ町郊外にダダーブ難民キャンプが開設され、難民の保護が行われています。ケニア政府は、2006年1月にソマリアとの国境を封鎖しましたが、その後もソマリアから難民が流入しています。難民キャンプが開設されてから16年が経ちますが、難民の数は増加し続け、収容能力や環境問題、地元住民との諸問題が起きています。 2. キャンプの概要 ダダーブ難民キャンプは、首都ナイロビから東へ約500キロメートル、ソマリアとの国境から約80キロメートルの位置にあり、Dagahaley、Hagadera、Ifoの三つの難民キャンプから構成されています。2007年1月9日における難民の人口は171,957人です。そしてその97.5%がソマリアからの難民です。難民キャンプは、国連難民高等弁務官事務所の管轄のもと、キャンプの管理・運営、食糧配給、水と衛生管理、教育とコミュニティー支援業務などがNGOへ委託され、支援が行われています。 3. ダダーブ難民キャンプにおける支援状況 (1)支援物資の配給 食糧の配給は、毎月1日と15日の2回行われています。配給されるのは、トウモロコシ、小麦粉、豆、食用油、塩等で、老人女性、妊娠中の女性、子供等には優先的に配給されるということでした。また、食糧以外ではアルミニウム製バケツ、毛布、石鹸、蚊帳等が配給されていました。 (2)教育 キャンプでは、幼児教育、初等教育、特殊教育、中等教育、成人教育が行われています。2006年においての小学校の数は17校で、生徒数は32,623人です。一方、中等教育を受けているのは1,757人、成人教育を受けているのは3,430人です。教員、教科書、教室、机、教材が圧倒的に不足していて、教育の質を高めることや就学率を上げることが困難となっています。 (3)環境 難民及びダダーブ地元住民の生活状況を改善するため、また難民キャンプ周辺の環境を守るために、改良かまどの生産・普及、焚き木プロジェクト等が実施されています。焚き木プロジェクトは地元民間業者から焚き木を購入して難民に支給し、キャンプ周辺の環境破壊を止め、また地元住民との間に起こる摩擦を回避する役目を果たしています。 (4)女性と子供 2006年に特別な配慮が必要な女性と子供の内訳は、2,384人の女性(未婚の母、離婚した女性、性暴力の被害者など)、2,016人の子供(孤児等)、4,680人の身体障害者の女性や老人女性、3,077人の新たに流入してきた女性と子供でした。ジェンダーに基づく暴力は、2006年に436件寄せられ、その内、レイプが9件、性虐待やセクハラが21件、暴行は12件でした。キャンプ内には、被害届用の箱と相談所が設けられていました。 (5)医療 それぞれのキャンプに一つずつ病院が設置されています。病院は、ドイツ技術協力公社(GTZ)が管理・運営しています。三つの病院のベッド総数は260床で、各病院に医師が1人、キャンプ全体の看護師は20人、補助看護師は100人以上です。病院は外来棟の他に一般病棟、小児病棟、妊婦用病棟、結核用病棟、小手術室、救急室、検査室、薬局があります。 (6)職業訓練とコミュニティー支援 同伴者のいない者、年配者、身体障害者等の弱者保護が行われています。また若者や女性に対する職業訓練も行っています。カウンセリング、スポーツと若者の育成、婦人子供、社会の向上と福祉という四つの部門に分かれて支援活動が行われています。 (7)給水と衛生 水は地下水を利用し、タンクに貯水してキャンプへ配水しています。キャンプ内には井戸が17カ所あり、給水用のタンクは22個あります。難民1人あたり1日16リットルの水が提供されています。トイレは地下浸透式で、地面に深い穴を掘り、周囲を簡単なトタンで囲み、足元をコンクリートで固めて穴を開けたものが使用されています。 (8)通信・電力 キャンプとUNHCRダダーブ支所では、無線で連絡が取れる体制にあり、携帯電話は、キャンプ内で利用可能な状況でした。それぞれのキャンプに発電機が設置されていますが、NGO等の設備で使用され、難民の住居への電気の供給はされていません。 ⇒詳しくは報告書をご覧ください(PDF 3.69MB)
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