コンゴ
コンゴ民主共和国におけるアンゴラ難民の状況 (2002年6月28日〜7月8日までの現地調査)
ンコンド難民キャンプの市場で販売用に穀物を脱穀するアンゴラ難民の子供たち
難民事業本部では、コンゴ民主共和国(以下、「コンゴ(民)」)の難民の状況と支援状況を調査するため現地調査を実施しました。 コンゴ(民)は、多数の国から難民を受け入れており、特にアンゴラ難民を最も多く受け入れている国です。しかし、同国においては、日本のNGOの活動もなく、難民の現状及び支援状況は明らかになっていませんでした。 1.コンゴ(民)におけるアンゴラ難民 2002年5月末現在、コンゴ(民)には、周辺諸国9ヵ国のうち7ヵ国(アンゴラ、コンゴ共和国(以下、「コンゴ(共)」)、スーダン、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、中央アフリカ)から約35万人の難民が各国における内戦の影響により避難しています。このうち、約19万人がアンゴラ難民で、そのうち約12万人はUNHCRの支援を受けていますが、約7万人はUNHCRの支援を受けていません。UNHCRの支援を受けていない難民は都市部など難民キャンプ以外に居住しています。 2.難民に対する支援状況 政府は、難民に対する直接的な支援は行っていません。 国際機関は、UNHCRが難民に対する保護活動、帰還のための難民の輸送、難民キャンプにおける給水、衛生、栄養、食糧、環境、教育等の分野における活動を、世界食糧計画(WFP)が食糧、ユニセフ(UNICEF)や世界保健機構(WHO)が教育・医療等の支援を行っています。 NGOは、ローカルNGOと欧米諸国のNGOに大別することができます。ローカルNGOは、そのほとんどが地域に密着しており、活動規模は細々としたものです。一方、欧米諸国のNGOは、国際機関と協力して活動している団体が多く、また、出身国政府など強力な財政支援を受けて活動を行っているところもあります。 3.アンゴラ難民の帰還と支援状況 現在、アンゴラでは平和回復を目指した取り組みが行われていますが、難民の帰還支援までは手がまわらないようです。しかし、UNHCRは、9月までに難民の一部が自主帰還、全体の7割がUNHCRの帰還計画に従って帰還すると考えています。 UNHCRの帰還計画に関しては、アンゴラ国内での受入準備や帰還のための道路整備(第一段階)、難民の帰還(第二段階)、難民受入国における難民キャンプの閉鎖及び跡地の整備(第三段階)の三段階により構成され、2003年末までに終了することが決定されています。 4.アンゴラ難民キャンプの現状と支援状況 (1)ンコンド難民キャンプ 当キャンプは、アンゴラ難民の受入れのために1999年9月に設置されました。現在約12,000人のアンゴラ難民が滞在していますが、難民は、アンゴラにおける和平の進捗状況に注目しており、UNHCR等の支援が得られるのであれば、帰還を望むとの声が聞かれました。同キャンプでは、UNHCRと国際救命委員会(IRC)といったNGOがシェルター、病院、学校、水、環境保全、コミュニティサービスの提供等を行っています。 (2)キルエカ難民キャンプ 当キャンプも、アンゴラ難民受入れのために1999年5月に設置されました。約12,000人の難民が滞在しており、UNHCRとオックスファム・ケベック(Oxfam Quebec)といったNGOが各種サービスを提供しています。なお、同キャンプは、UNHCRの日本人職員である米川職員が開設したキャンプです。キャンプ内のメインストリートは彼女の名前から取って「マサコ通り」と名付けられています。 ンコンド難民キャンプの国際救命委員会の支援内容と比較してオックスファム・ケベックの支援に不満を漏らす難民もおり、異なるキャンプ間でもNGO間の支援の内容の差がすぐに難民に伝わっている実態がうかがえました。 5.難民支援−今後の課題− アンゴラは難民が安心して帰還できる環境にはありません。しかし、帰還を望む難民が多く、UNHCRの帰還計画も近々始まる予定です。アンゴラ難民支援に際しては、難民の帰還に加え、アンゴラの復興までを想定した支援を検討することが望まれています。 UNHCRのアンゴラ難民帰還計画には、コンゴ(民)における難民キャンプの閉鎖や跡地の整理も含まれていますが、経済的・政治的に不安定なコンゴ(民)に対する支援も重要になるでしょう。 最近、新聞などで、コンゴ(民)の難民の状況の記事を目にすることが多くあります。今後とも、コンゴ(民)におけるアンゴラ難民の状況に注目し関心を持ち続け支援していけるかが、大きなかぎになってくるでしょう。
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