2004年 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の執行委員会年次総会(Excom)の事前のNGO会合(Pre-Excom)に参加して
(2004年9月28日〜30日)
 |
主にミャンマー難民の帰還について話し合われたアジア・太平洋地域会合 |
スイスのジュネーブにある国際連合欧州本部で9月28日から30日まで2004年のPre-Excomが開催されました。Pre-Excomとは、UNHCRと世界のNGOとの対話会合で、毎年秋に開催されるUNHCR執行委員会(Excom)の直前に開催されます。
今年は世界80ヵ国から220団体350名が参加し、日本からは難民事業本部を含め5団体11名が参加しました。今年は、昨年に比べ、多くのNGOが参加し、特にアフリカ、中東、アジアのNational NGOの参加が増加しました。
会議では主催者が決定した議題とともに、参加NGOが提案した分野別会合が15会合開催され、参加者の積極的な提案、討論がありました。
会議は、地域別の会合のほか、(1)安全確保、(2)国内避難民保護、(3)NGOの能力開発、(4)地中海地域の難民政策、(5)HIV/AIDSの問題、(6)難民の収容、(7)性差と年齢の問題、(8)教育を通しての難民保護、(9)難民保護などでした。
地域別の会合のうちのアフリカ地域会合においては、難民の帰還が進んでいるものの、帰還民への支援と保護の問題、アジア・太平洋地域会合においては、ミャンマー難民の帰還促進の可能性、ヨーロッパ地域会合においては、難民を自国に上陸させず、国外の一時滞在施設に収容する問題などが話し合われました。
また、参加NGOの提案した議題は、(1)各国の難民受入の問題、(2)女性難民、(3)難民キャンプにおける生活の質の向上、(4)難民の恒久的解決、(5)NGO職員の行動規範、(6)今後のNGOとの対話会合など、13の議題で活発に意見交換があり、また、UNHCRの担当部署による(1)チャドにおけるスーダン難民の最新情勢、(2)世界難民地図から見る難民と国内避難民などもありました。
さらに、3日目の全体会合においては、National NGOとしてアジアのNGO、イスラムのNGOの特徴を発表する会合もありました。
今回の会合では、NGOが主に担っている支援の分野のみではなく、UNHCRが主に担っている分野(職員の安全確保、難民・国内避難民の保護など)においても、NGOの積極的な関与の重要性、そのためのUNHCRとNGOの協力が強調されました。