UNHCR
2001年のPre-EXCOM、グローバルコンサルテーションズに参加して (2001年9月24日〜26日) Pre-EXCOM 2001年9月24日(月)から26日(水)までの3日間、ジュネーブの欧州国際連合本部において2001年Pre‐EXCOMが開催されました。Pre‐EXCOMとは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と世界のNGOとの対話会合で、毎年秋に行われる執行委員会(EXCOM)の直前に行われます。今年は168団体200名が参加、日本からも当事業本部を含め4団体5名が参加しました。会合では、UNHCRとNGOとの協力、難民保護におけるNGOの役割、移民・人身密輸と庇護、国内避難民の問題等が議題にあがり、3日間で40時間を超える議論が繰り広げられました。 ここでは、国内避難民に関する議論を紹介します。議論の中心は、「国内避難民の問題に関する行動指針」(以下、「行動指針」)についてでした。「行動指針」には、国内避難民を危険な場所へ強制的に送り返してはならないこと、女性や子供に特別の保護を与えること、財産や所持品を失った場合、その賠償を得る権利があること、などが明記されています。また、移動を強いられない権利を前面に打ち出し、強制的な移動が違法とされる根拠や条件を特定し、国内避難が起きたときに保障されるべき最低限の基準が示されています。「行動指針」は法的な拘束力を持たない文書ですが、比較的速やかに各国に受け入れられ、国連や地域機構、NGOなどによって周知徹底が図られてきています。 今回の会合では、「行動指針」をフィールドで運用していくにあたっては多くの困難があることが指摘されました。大きな問題の一つは、国内避難民が発生している国の多くが戦争状態にあることです。すなわち、国内避難民に対し一義的責任を持つのは国家ですが、戦闘状態にある国家が国内避難民を保護できない状態において基本的権利の侵害が起った場合、人道援助機関は、国内避難民に対してどのニーズを優先して援助を行うのか、そして、「行動指針」で定められた基準に照らしどの程度の援助を行うのかについての判断が迫られることになります。「行動指針」をフィールドで実質的に運用するにあたっては、現実と理想との大きなギャップがあるようです。 いまだに運用に大きな問題を残している「行動指針」ですが、モニタリング、評価などのツールとして重要な役割を果たしていることは間違いありません。会合の最後でも強調されたように、今後は、「行動指針」を基に人権・人道援助団体さらには国内避難民の参加の下、国内避難民の保護に関する解決策を見出していくことが求められています。 グローバル・コンサルテーションズ 2001年9月27日(木)と28日(金)の2日間、ジュネーヴの欧州国際連合本部においてグローバル・コンサルテーションズ第3トラック第3回会合が開催されました。グローバル・コンサルテーションズとは、難民条約の再活性化と難民の保護の強化を目的として、難民問題の現状、将来的な指針を議論する会合の総称です。2001年1月より3つのトラック、すなわち、第1トラック政府閣僚部会・第2トラック専門家部会・第3トラック執行委員会部会に分かれて会合は始まり、今回は第3トラック第3回会合です。 第1回会合では、「大量難民発生状況における難民の保護」が議題となりました。この中では、難民が大量に発生し流出した場合、どのように難民を保護するべきなのか、保護の責任はどこにあるのか、その責任をどのように分担できるかなどが議論されました。多くの国は、大量難民発生の根本的原因を探り恒久的な解決方法を探ることが重要であると言います。難民保護の責任に関しては、各国が公平に責任を分担する必要があるとの意見が出された中で、すでに大量の難民を受け入れている第1次庇護国からは、先進国に対して財政的・技術的援助を通しての責任の分担を求める声がきかれました。 第2回、第3回会合の議題は「個別庇護システムにおける難民の保護」についてです。この中では、難民としてどのような人を保護するべきなのか、難民として保護しない人に関して他にどのような保護の方法があるのか、庇護希望者に対してどのくらいの社会保障を付与するべきなのかなどが議論されました。先進国からは、難民保護に関する最低基準を作成し保護の内容を決定するべきだという提言が出されています。ただし、保護の内容を寛大にすることにより、それが難民流入の原因となることを危惧する国もあります。一方、発展途上国からは、先進国が考えている最低基準は発展途上国にとっては理念的なものにすぎないため、真の意味での最低基準を作成するべきであるとの意見が出されています。個別庇護システムにおける難民の保護に関しては南北間に大きなギャップがあるように思われます。 難民条約作成50周年の取組みとして今年初めに始まったグローバル・コンサルテーションズも、いよいよ後半にさしかかかってきました。12月にはグローバル・コンサルテーションズの中でも最重要会合ともいえる閣僚会合が開かれます。また、第3トラック第4回会合が「女性と子供における難民の保護」をテーマに来年開催されることが予定されています。今後ともグローバル・コンサルテーションズに大きな関心を払っていきたいものです。
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