定住後の支援

難民生活相談

難民定住者は、本国や在日大使館から保護を受けられず、出生証明書等の書類が入手できないなど、難民特有の問題を抱えています。
難民事業本部(RHQ)では、難民相談員が電話や窓口で、在留資格や年金、納税などの行政手続の支援や、医療や住まいなどの生活に関わる相談を受け付けています。特に、難民定住者が集住する地域においては、難民相談コーナーを置き、地域に密着した対応を行っています。
また、第三国定住難民については、定住する地域において地域定住支援員を置き、病院同行や学校、保育所からの連絡事項の説明などの助言、学校や地域ネットワークとの連携など、きめ細かい支援を行っています。

難民相談年間集計(2022年4月〜2023年3月)

分類 相談内容 合計(回)
1
職業
求職 63
就職 36
職・退職 12
職場の問題 27
訓練/センター入所 54
労働災害 1
雇用保険 20
免許・資格 11
職業/他 333
職業/小計 557
2
家族
生活
結婚 503
妊娠・出産 70
離婚 110
死亡 67
保育・児童相談 332
年金・老人 220
生活保護 218
税金 147
親子問題 35
コミュニティー活動 47
生活/他 2228
家族生活/小計 3,977
3
教育
転入学 80
進学 60
奨学金・援助金 137
日本語 84
機材・教材 5
学校生活 112
教育/他 500
養育/小計 978
4
住宅
公営住宅 334
民間住宅 68
住宅トラブル 37
住宅/他 299
住宅/小計 738
5
医療
病気・怪我 415
医療費 221
精神障害 92
身体障害 12
健康・介護保険 108
依存症 0
予防接種 143
医療/他 1,051
医療/小計 2,042
6
事故
犯罪
交通事故 15
災害・障害 0
犯罪・裁判 7
事故/他 5
事故犯罪/小計 27
7
国籍
入管
帰化 694
永住申請 270
在留手続き 371
家族呼寄せ 220
移住・帰国・送還 16
外国人登録 1
難民申請・異議 7
仮放免 5
入国/他 372
国籍入管/小計 1,956
8
難民
申請者
保護費
措置照会 892
調査、面接 1,724
支給、領収 899
ESFRA(緊急宿泊施設) 151
連絡人 3
保護費/他 1,718
保護費/小計 5,387
9
情報
提供
職業 3
家庭生活 62
教育 20
住宅 9
医療、健康 33
事故犯罪 10
入管・在留資格 17
難民認定申請者保護措置 0
海外の難民 2
RHQの活動 16
ボランティア活動 0
NGO情報 0
情報/他 589
情報/小計 761
10
その他
その他 23
その他/小計 23
合計 16,446

生活ハンドブック・医療用語集

難民が日本で生活していくうえで、困ったことや分からないことがあった際に活用で きる「生活ハンドブック」と「医療用語集」を発行し、難民定住者や支援者に無料で配布しています。 「生活ハンドブック」は、英語・フランス語・アラビア語・ペルシャ語・ミャンマー語・ベトナム語・ラオス語・カンボジア語・カレン語で、くらし・教育・病気・行政手続きなど、困ったときの対応方法や日本のシステムなどを紹介しています。
「医療用語集」は、ウクライナ語・英語・フランス語・アラビア語・ペルシャ語・ミャンマー語・ベトナム語・ラオス語・カンボジア語・カレン語で発行しています。

教育訓練援助金

難民定住者とその家族が進学・編入学した場合、次のような一時支援金を支給しています。

名称 趣旨 対象者 金額
教育訓練援助金 第1種 大学(短大を含む)及び大学院に入学した者への学資援助金 大学(短大を含む)及び大学院生(勤労学生に限る) 10万円
第2種 高校に入学した者への学資援助金 高校生 5万円
第3種 専修学校及び各種学校等(日本語教育等)に入学したものへの学資援助金 専修学校及び各種学校等生徒 5万円
第4種 雇用した難民に雇用主が行う技能資格取得、日本語教育等の訓練に対する援助金 雇用主 訓練1回4千円
第5種 小学校、中学校に入学した者への学資援助金 小学生・中学生 小学生2万円・中学生3万円

※詳しくは難民事業本部援護課(03-3449-7049)にお問い合わせください。

コミュニティ活動の支援

難民コミュニティの方々の交流を深め、自助組織としての自主的な活動を支援することを目的として、難民定住者に援助金を支給しています。また、活動に必要な情報の提供や、企画・運営の支援も行っています。
例えば次のような難民定住者の自立に役立つ活動を対象としています。

※お問い合わせやお申込みは、援護課(03-3449-7049)までご連絡ください。

援助金の対象活動例 その1

難民の方々の交流、地域との交流のための活動…防災訓練への参加、救急救命訓練の実施など
生活に役立つ活動…高齢者福祉の勉強会、介護に関する勉強会、保険・年金の勉強会など
文化継承の活動…母語教室、民族舞踊教室など

援助金の対象活動例 その2

日本の生活に役立つ情報の提供

インドシナ難民のための各種証明書

定住経歴証明書

インドシナ難民定住者(ベトナム、ラオス、カンボジア出身で法務大臣から定住許可を付与された人)が、婚姻や帰化などをする際、必要な証明書を母国や在日大使館から受けることは困難であるという背景から、難民事業本部(RHQ)では、希望者に定住経歴証明書を発行しています。
この証明書には、インドシナ難民として法務大臣から定住許可を受けた者であることや、入国日や定住促進センターへの入所経歴などが記載されています。

身分証明書

インドシナ難民は閣議了解に基づき法務大臣から定住許可を受けており、ほとんどが個別に難民認定を受けていないため、官公庁から難民としての身分を証明する文書の発給を受けていません。
難民事業本部(RHQ)は、インドシナ難民としての身分が分かるように、身分証明書を発給しています。インドシナ難民定住者が、就職を希望する際や、公営住宅の申込みをする際などに利用されています。

日本語教育相談

RHQセンター入所者の日本語教材や進学等の相談に対応し、センター修了後も継続して日本語を学べるよう、地域の日本語ボランティアや地方自治体と連携し、フォローアップを行っています。

特に第三国定住難民については、定住する地域において日本語コーディネーターを置き、継続した日本語教育支援を行っています。

RHQ支援センターと関西支部に配置した日本語教育相談員が、日本語の学習法や教材などの紹介や、日本語学習の相談に応じています。また、日本語ボランティアをはじめ、学校や地方公共団体、事業所等からの問い合わせや相談にも応じ、必要な日本語学習の情報提供や専門的指導を行っています。

教材開発・援助

難民定住者や日本語教育ボランティア団体などに難民事業本部が開発した教材等を無償で提供しています。「にほんごえじてん」や「はじめましてにほん」などの学習教材や用例付き語彙集は、難民事業本部ホームページや「日本語教材ガイドブック」で紹介しています。

日本語教材援助については、こちらをご覧ください

援助申請の受付について

難民事業本部では、難民定住者等(インドシナ難民及び条約難民並びにその家族、第三国定住者)と、定住者難民等に日本語教育を行っているボランティア団体等(ボランティア団体、事業所、学校、官公庁・公共施設)に、日本語教材を無償で援助しています。
下記のとおり援助の申請を受け付けます。

目的 難民定住者等に対して日本語の学習指導を行っているボランティア団体等の活動を支援することにより、難民定住者等の日本語学習の機会を拡充・促進し、学習環境の整備を図る。
援助の対象
  • 難民定住者等であり、難民事業本部が設けた援助基準を満たす者
  • 難民定住者等に対し日本語教育を行っているボランティア団体等であり、難民事業本部が設けた基準を満たす団体
援助の対象 難民定住者の日本語学習のための日本語教材ガイドブック(難民事業本部発行)」に掲載している日本語教材
(下記、「日本語教材ガイドブック」をご覧ください)
申請から送付まで 申請は随時受け付けます。
送付までに多少お時間をいただきますので、あらかじめご了承ください。
なお、3月に申請された教材については、4月以降の送付となります。
お問い合わせ
申込先
難民事業本部 業務課
TEL:03−3449−7013

難民定住者の日本語学習援助のための日本語教材ガイドブック(PDF)

定住後の第三国定住難民の日本語能力及び日本語使用状況調査

RHQ支援センターを退所した第三国定住難民の日本語能力や日本語学習状況などについて、半年ごとに定期的な調査を行っています。調査結果は難民本人へ伝え、日本語学習についてのアドバイスを行うとともに、地方公共団体を通じて定住先での日本語教育支援に活用していただいています。

定住後の第三国定住難民に対する日本語教育支援

RHQ支援センターを退所した第三国定住難民が、地域で継続して日本語を学べるように定住先の地方公共団体や学校等の関係機関と連携しながら、定住先の地域で日本語教育の支援体制を作っています。支援内容は地域のニーズによってさまざまですが、以下のような取り組みを行っている例もあります。
①週1回の大人・子供別の日本語教室、②日本語教育コーディネーターの配置、③日本語指導者への研修の実施、④日本語指導者の配置、⑤難民事業本部オリジナル教材の使用、⑥日本語教室における託児支援の実施、など

(公財)アジア福祉教育財団(FWEAP)の事業

(公財)アジア福祉教育財団では、難民事業本部(RHQ)事業とは異なる独自の援助・支援事業を行っています。詳しくは(公財)アジア福祉教育財団のホームページ(https://www.fweap.or.jp/)をご覧下さい。